境界線越えました


「メフィストー、フェレス卿ー」
麗奈が任務から戻り、メフィストの部屋に入るとそこには見知らぬ女の子がいた。
「「誰??」」


「渚さんも、ここの生徒さんなんですねー。」
「もう!麗奈ちゃん、渚でいいよ。もしくはマイベストフレン。略してマベフ!」
「麗奈もここの生徒なんだねー。」
軽くスルーされる渚だが落ち込んだ様子はない。
メフィストの部屋にいたのは麗奈という女の子。二回ほど浪人させられている身らしく、今も三回も同じ授業なんか出られるか!とサボり真っ最中らしい。
「でも麗奈ちゃんと授業であったことないかも」
「まー、私も今日みたいに任務で出ないときもあるから・・・って渚はもしかして浪人だから二個上?」
「あんまり浪人連発しないでよ。地味に凹む。」
といいつつも笑ってる渚。
「二個上じゃないよ。大丈夫。年増じゃないから。」
「良かったー、先輩だったら今頃スライディング土下座するとこだった。まあなんか二個上には見えないけどね。」
さりげなく幼い扱いを受ける渚。
「いやいや、私だって本気だしたら魔性の女とかなれると思うから!」
「それはないと思う。むしろ可憐な美少女だよ。」
「キャーー!麗奈ちゃん!そんな可憐な美少女過ぎて目にいれても痛くないなんて!オーバーよ」
と言いつつ、麗奈の背中をバンバン叩く渚。
「うん、オーバーしてると思う。」
悪魔で冷静に対応する麗奈だった。
「あれ、麗奈ちゃん。ここ怪我してるよ?」
と渚は麗奈の足が少し擦りむいていることに気づく。
「あっ、本当だ。」
麗奈も今気づいたらしい。
「でもいいや、メフィストが気づくまでこのままにしとく。あの人に隠し事は通用しないから。」
意味深に言う麗奈に渚は言葉に詰まる。
「それに、いつもいつもいつも危険な役回りを押し付けて! 自分は高みの見物なんだから。」
「・・・確かに。そうかも。」
麗奈の言葉に渚もはっとしたように賛同する。
「大体、女の子にこんなことさせる?」
そこから麗奈の長い愚痴が始まる。


(・・・入りづらい)
部屋に入ろうとすると女の子の声がしたので聞いてみれば、麗奈と渚だった。
どうも自分のことを言われているらしく、非常な入りづらい。
ここはアンニュイな感じで入るか、それともふざけた感じで入るか悩みどころだ。
「でも、メッフィーといると安心する。」
渚の声だ。数秒経ち、麗奈のそうねと賛同してくれる声め聞こえる。
それを聞いた瞬間、メフィストの目が輝く。
「渚、麗奈さん、遠慮せずにこの胸に飛び込みなさい!」
バンっと音とともに扉を勢いよく開け、メフィストは部屋に入る。
「「!!」」
そこには目を丸くして固まる渚と麗奈が。手にはメッフィー人形を手にしていた。
「・・・・・・」
メフィストも絶句。
「麗奈、やっぱりこの人危険だよ。」
「うん、そうみたい、いこいこ。」
渚と麗奈は立ち上がり、手を繋いで出て行く。
「え?何で!?」
メフィストは一人うろたえていた。

廊下で渚と麗奈は仲良く微笑みあっていた。
「じゃあ、またどこかで。」
「うん、また。」
少女達の戦いはまだ始まったばかりだ。


back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -