「合計4点で503円でございます」 「あ……」 幼なじみ2人の部活に付き合っていたら、夏と違い、秋になりいつの間にか日は短くなっていて、終わった頃には空は暗く、お腹も空いた。2人もそう思っていたのか、帰り道に通るコンビニに足を踏み入れ、好きなものを買う。明日、学校で食べるおやつを選んでる銀時や、学校では吸えない煙草の口寂しさを解消するための飴の袋を持っている晋助より先にレジに並んだ私のカゴにはおにぎりと野菜ジュース、ガム、それからホットショーケースに並んだフライドチキンを頼んで、合計4つ。素早くスキャンし金額を伝える店員さんは、何年も前から居るベテランの人。 ……まあそんなことは置いといて、私の小銭は500円玉が1枚と100円玉が2枚と1円玉が1枚。いやいや、お札ちゃんとあるからね。701円が今の全財産じゃないからね。 つまり、それ以外に小銭がない。仕方がない600円出そうかな、うーん。3円で崩すのも悪いなぁ。 「なにしてんだよ名前」 「あ、晋助いいところに。2円持ってない?」 「あァ?ちょっと待ってろ」 ポケットから出した財布を晋助は広げた。そうこうしてるうちに銀時がCMでやっている季節もののお菓子を持ってレジにやってきた。 「1円しかねェな」 「銀時、1円!早く」 「ちょ、まてまて、おま、俺には命令形かよ」 そう言いながらも、ポケットの中を漁り1円玉をジャラジャラ鳴らして漁る。店員さんはニコニコと私たちの行動を見ている。きっと心の中では早く出せと思ってた、り。 「お、」 「よし、」 500円玉を乗せた私の手の平に両側から手が伸びてきて1円玉を乗せられる。 「ありがとっ」 私もまた1円玉を取り出し、無事に会計は済んだ。先に外に出てフライドチキンを頬張っていると男2人も出てきた。 「お前ェ、ガム買ってただろ、1つ寄越せ」 「じゃあ銀さんはおにぎり、ひとくちな」 「えっえっ、なにそれ」 「割り勘」 「……しただろ?」 息ぴったりに台詞を合わせ、晋助と銀時はニヤリと笑う。こうなってはもう敵うわけがないので、仕方ないなあ、と笑ってレジ袋を漁った。 地に散りばむ金木星は滲むのに title/夜風にまたがるニルバーナ様 110930 |