ずっと触れたかった、その身体に。 「や、」 「……名前」 そっと頬に手を添えて、唇に吸い付いた。口腔を犯し、名前が苦しいというように、俺の胸を押すが、そんなことは気にも留めない。恥ずかしい話、我慢ができないのだ。何年越しの恋だと思ってんだ。やっと気持ちが通じたのに、ここで止められる男じゃねェ、名前には俺の想いを全て受け止めてもらわなきゃいけねェんだよ、今夜は。 「あ、んっ!」 既に衣服は俺によって取り外され、腕で身体を隠そうとしても無意味だった。胸の頂にかぶり付き、舐めればびくびくと身体が震える。やべェ、感度良すぎだろこれ。ジンジンと俺の身体まで熱くなる。一頻り胸を玩ぶと、身体のあちこちにキスをして、降下しながら秘部へと辿り着く。 「ぎ、んっ……!」 広げた太股の奥にも優しく口付ける。一番膨らんだ芽を甘噛みすると一際大きく鳴く名前。 「濡れてる」 「や、いわない、でっ」 舌を膣内に差し込めば名前はしきりに汚いと言い続けるが勿論お構い無し。段々、零れてくる愛液を舐め続け、指を入れた。 「銀、時……っ、はぁ」 抜き差しすればきゅうきゅうと指を締め付ける。痛いともなんにも言わねェってことは処女じゃないわけ、か。そりゃそうか、恋人が居たっておかしくないよな。 ばらばらにナカで指を動かせば、忙しなく、喘ぐ名前にいよいよ俺は我慢できなくなって、ベルトを外した。 「名前、」 「ん、はや、く……っ」 額に触れるだけのキスをすると、するりと背中に巻き付く彼女の腕。その重みにすごく安心しながら、名前を貫いた。 「あ、あっ、」 「名前っ……」 締め付けるのは名前の腕か、膣か。どちらにせよ、言いようもない快感が襲う。待て待て、我慢できないけど、出すのはまだ早いぞ俺。 腰を振り、汗が身体中から流れ、名前を追い詰める。生理的に溢れた涙を唇で拭い取り何度も名前を呼んで、絶頂へと向かう。名前もまた、俺の名を一心不乱に呼び、そして、俺をまた締め付けた。 今度こそ我慢できない俺はギリギリまで性器を引き抜くと、限界まで奥へと突いた。収縮するナカで俺の息子もたっぷりと精子を名前に吐き出した。あーやべ、ゴム忘れてた。ま、いっか。 ぐったりとする名前に覆い被さる。ドクドクと脈打つ心臓を身体で感じながら目を閉じる。 「すきだ」 「わ、私も、すき……」 その言葉は俺を安定させる唯一無二の言葉。 幻じゃねェ、 (お前と幼なじみでよかった) (いつもは腐れ縁っていうのに、やっと幼なじみって呼んでくれたね) (もう幼なじみじゃありませーん。恋人だっつーの、ばかやろー) title/家出さま 110906 |