結婚して同居してる燐しえのお話



俺としえみは互いに黙ったままだ。困った。どちらともなくため息が出る。


「だから、燐。家事は私が全部やるよ!」

「だからぁ!何で家事全部やろーとすんだよ。」

さっきから、ずっとどーどー巡りだ。


「だって燐、強いから上級任務に駆り出されてばかりじゃない!だから私が…」

「それを言うならお前だって祓魔師やりながらお義母さんの店で働いてんじゃねーか。」

「それに燐は男の子だもん。普通は女の子が家事をやるんだよ。」

「俺ら共働きなんだし分担すべきだ!しえみが専業主婦ならまだアレだけどさぁ、仕事好きだろお前。」

「……。だって、」

うるうると目に涙を浮かべるから、慌てた。

「全部は取らないって。」

「…?どういうこと。」

「俺部屋の片付けとか掃除苦手」

「うん?」

「あと洗濯も出来るけどたためない。」

「…燐?」

「だからさ、料理と買い出しは俺が担当するからしえみは洗濯とか掃除してくれよ」

「…料理、私が苦手だから…」

「いや(それもあるけryゴホン)、俺料理するの好きだしさぁ取らないでくれよ。それは俺の役割!」

「…燐、」

「なんたって俺の唯一生産性のある特技なんだからな!」

「ふふ。うん、分かった…」
(情けないな、美味しいものが作れないこと。燐の料理はいつだって絶品なのに…。)




「そ、それでさ、…〜!、たまにはその、」


「…?」

「あ゛ぁ…うー、一緒に作ろうぜ、教えるからさ!…な?」


真っ赤になってそっぽを向く燐に、私は微笑んだ。

「うん!やくそくだよ!」


2011/09/04
01:22(0)


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