宙をさまよう



埃臭く、淀んだ空気にもすっかり慣れてしまった。光が差し込まないこの場所では太陽も僕を照らし出さない。意識には靄がかかっているのに、思考は奇妙なほどクリアだった。意識の底に一瞬浮かび上がった、誰かの影を無視して両瞼をそっと閉じる。宙をさまようのは、つめたい武器を握るための右手だ。




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