慰めてよ



闇夜に煌めくナイフの切っ先を寸分も違わせることなく向けたまま、臨也は薄い唇をゆっくりと開いた。感情を逆撫でする言葉を次々と並び立てていく様子は、機嫌の下降を示している。細く眇められた紅玉のような瞳が、爛々と輝きながら静雄を射抜く。

「慰めてよ」

吐き出した言葉は果てしなく不遜だった。




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