うつくしい古傷



日に焼けた指先が躊躇しながら伸ばされる。俺が視線を送ると、彼はゆっくりと腹に触れた。脇腹に残る、大きな傷痍。捻れた皮膚の感触を確かめるように触れ、彼はぎゅっと眉を顰めた。そんな顔をしないでほしい。貴方に慰撫してもらえるのなら、勲章などと呼ばれた忌まわしい此れも、うつくしい古傷だ。




ホーム / 目次 / ページトップ



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -