酷い男
呆然と立ち尽くしていたユーリの唇が動いた。
震える声で俺の名を紡ぐ。
「……なんで」
見開いた漆黒の瞳を困惑で揺らがせながら、彼の感情は次第に激しく昂っていく。今にも泣き出しそうに表情を歪ませ、俺に向かってユーリは叫ぶ。
「答えろよ!」
いっそのこと、酷い男だと罵ってほしいと心底願った。
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