The coward who?



なにもかも手放すことができなかった愚かなぼくは、あのとき忘却を選ぶべきだったのだろうか。ぼくの視界を群青が染め上げる。気持ち悪いほど自分の鼓動が大きく聴こえた。身体が震えてまともに立っていられない。ぼくを見上げる彼の目が、大きく見開かれる。ああ ごめんね、順平。

もうさよならだ。




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