煤色/扉/さみしがり
煤色の記憶を遡るたびに反芻するのは、いつも優しく微笑んでいたあの人の、今にも泣き出そうな笑顔だった。戦いを恐れない人だと、何にも臆さずに立ち向かえる人だと思っていた。だけれど本当の彼はさみしがりだった。今ぼくが相対している扉の向こうに彼がいるのなら、また泣いているのかもしれない。
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