全部くれた人/出会うために生きてきた/最後、だなんて



「貴方が全部くれたんです」

呟いた言葉は白い息とともに掻き消えた。彼を想って空を見上げる夜がこれで何度目なのかは分からない。もう数えることにも疲れてしまった。星々の煌めきは色褪せることなくそこにある。あの頃と同じ輝きに、ひどく泣きたくなった。彼がくれたものは、今でもここにあるのに。




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