ヘリオトロープ/恋/打ち捨てる
ヘリオトロープの香りはまるでバニラのように甘い。黄色いマフラーを靡かせて屋上に佇む綾時からは、いつも同じ香りがしていた。
「甘ったるい」
ぼそりと呟くと綾時は苦笑した。
「甘い香りは嫌いかな」
あぁそうだ、俺が打ち捨てることもできず持て余している恋という感情を、きっとこいつは知らない。
ホーム
/
目次
/
ページトップ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -