夕方/追憶/引っかかる
夕焼け空を見上げるたび、脳裏を掠めるのは天真爛漫な彼女の笑顔だった。負けず嫌いで正義漢のおてんば娘は、悪戯をするのが大好きで。容易にひっかかったオレを見て小悪魔のように微笑む彼女は憎たらしく、それでも不思議と嫌いにはなれなかった。
「……ジュリア」
吐き出した声は、ひどく乾いていた。
end.
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