熱/追憶/握りしめる



脳裏に蘇る追憶は、今しがた生み出したばかりの熱球の温度さえも霞ませた。圧倒的な水の力、絶対的な王の力。強く握りしめる左の掌に、爪の跡が残る感触があった。彼を忘れるなど出来るはずがない。忘失など出来はしない。己にとっての王は、彼以外に存在し得ないのだ。




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