心音



おれの胸に耳を当てて心音を数える彼は、もう長いこと黙り込んでいた。なぁあんた、いますごく悲しい顔してるだろ。おれが言うと彼は焦れるほどゆっくりとこちらを見上げた。薄茶に銀の虹彩を散らした瞳が見開かれている。前にも言っただろ。おれはあんたがどんな顔してるか、見なくても分かるんだよ。




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