羨望と執着



俺の視線から逃れるように折原は背を向けた。手首に巻かれた真新しい包帯を見下ろす、真っ赤な瞳の中にはどろりとした情欲が映り込んでいる。ああ、奴自身は未だ気付いていない。唯一無二の親友に嫉妬し、同時に強く恋い焦がれていることに。忌々しげな折原の舌打ちが、やけに大きく部屋に反響した。




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