瑕痕
独特なアルコールの香りにはすっかり慣れてしまったが、傷口に沁みる感覚だけは未だに慣れずに顔を顰めた。こちらを見る新羅が呆れた顔をしているのは見ないふりをする。
「痛がるなら傷なんて作らなきゃいいのに」
……ああ新羅、お前は知らないだろうな。こっちは好きで怪我してるわけじゃないんだよ。
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