狂気と本能
2015/07/02 22:25

本当は昨日の夜、ナイトショーで観ようかと思ったんですが、いや観なくてよかった…寝れなくなるとこでした、興奮で(笑)

マッド・マックスを観るのはこれが初めてでして、マックスの過去とか世界観とかウィキでしか情報を得てませんので、あしからず…
「土と車(メカ)」ってだけで観に行こうと思ってました(笑)


核戦争後、資源の奪い合い、殺しが日常茶飯事的な世界が舞台。
元警官のマックスはある砦の支配者イモータン・ジョーの部下たち、全身白塗りのウォーボーイズ(核の影響で病気らしい)の一団に捕らえられる。
イモータン・ジョーはカルト宗教みたいな感じでウォーボーイズたちを支配して、水や資源を独占して、人々を支配していた。

初っぱなからイカれてると思ったのは、この白塗りのウォーボーイズたちだけじゃなく、人そのものを輸血袋にしてたり、母乳を集められてる太った女性たちの存在…これだけでちょっと気持ち悪い(^^;

ジョーの部下フュリオサという女性が彼の妻5人を連れ出して反乱を起こしたことが戦いの始まり。
主人公マックスはウォーボーイズの1人、ニュークスの輸血袋としてその追跡劇に参加することになるんですが、成り行きで彼女たちを助けることに。

のちのちニュークスもジョーの妻の1人と心を通わせて、マックスたちの味方になります。最初狂信的にジョーを崇拝してたのでその要素ゼロだったから意外だったわ。
某番組のコーナーで全然紹介されてなかったし、ただのモブキャラかと思ってたのに、えらくこいつにスポットが当たるから、後々主人公たちを窮地に陥れるのかと思いきや、味方になったどころか、愛する女性を守るため、命をはって主人公たちの進路を守りました。

このウォーボーイズたちは病気で長くは生きられんだけに、ジョーの「よみがえらせてやる」とか「英雄の館へ魂を運ぶ」とかそんな言葉に踊らされていたようです…


途中でジョーの妻の1人スプレンディッドを失うんですが、彼女はジョーの子どもを妊娠してて、しかも1ヶ月前という、でも戦いの最中死んでしまいます。
ジョーは泣いてた?嘆いてたので、こいつにも人の心があるのかと思いきや、腹を開かせてまで子どもを出すという、子どもへの執着でした、ほんと最低。
「あの子達はモノじゃない、人間だ」って協力者の老婆(妻たちの面倒を見ていた)の言葉がよくわかります…


マックスがかっこいい。
あの渋さと強さ、かっこよすぎ。


しかし、何よりかっこよかったのは、出てくる女性たち。

「鉄馬の女」と呼ばれるおばちゃん…おばあちゃんもいるんですが、バイク乗り回して、めちゃくちゃ戦うとかかっこよすぎる。

スプレンディッド以外、字幕版観てたからかもですが、名前出てこなかったんですけど。

黒人?っぽい人…銃弾を補充する。最後のほうで死んだジョーに唾をはきかけるとことかいいね!

アジア系…スプレンディッドが死んで、一回ジョーのとこに戻るとか言い出す。最後の戦いでまたも寝返りかと思いきや、フュリオサを助ける。作戦だったようだ。

赤毛…ニュークスと恋に落ちる子。おい、見張りは?とか言わないww彼女のおかげでニュークスは仲間になってくれたんだな。

白人をさらに白人にした感じの人…口のたつきつい感じ。「鉄馬の女」の老婆から種を引き継ぐ。威勢がよい。

スプレンディッド…妻たちのリーダーっぽい人。妊婦なのに体をはって主人公を守ったりと無茶するわ…肝がすわっているというか。途中主人公とこう絆がうまれた?とこがあったので、死んだ時は悲しかったな…

フュリオサ…ベリーショート万歳。かっこよすぎます。


種を引き継ぐ女性が一人言で「ずっと出てこないでね。ここはいいとこじゃないから」的なことをお腹を触りながら言うシーンがあるんですが、そのシーンが好きだったわ。
「出てこないでね。ここはいいとこじゃないから。」
「妊娠してるのかい?」
「悪魔の子よ」
「女の子だよ」
勝手な私の深読みなんですけど、この女の子だよって男の子が産まれてくるなとかそういう意味じゃなく、悪魔の子だって嫌悪する相手にたいして、自分やあなたのように逞しい女の子だよっていう意味なんじゃないかなって。多くは語らないけど、その一言で全てが前向きになるシーンで印象的だったな、と。


フュリオサが砂漠で叫んでるシーンや妻が連れ戻されるシーンを見て、妻たちを全員奪い返されて叫んでる、かなり深刻なシーンかと思ったら違いましたね。
連れ戻された一人もしくしくと嘆くでなく、ジョーの邪魔をしまくって、車の運転したり、唾をはきかけたりと、最後までしぶとくて素敵でした。
一人一人が助けてと嘆くような人ではなく、守られるというより、戦える強い女性だったので、すごく観てて気持ちよかった気がします。
強い女性が弱くなって「なんでやねん」と突っ込みたくなることはよくありますが、最初から最後まで一貫して強かったな、と。

フュリオサが最後死んじゃうのかと思ったけど、医者とかいなさそうな世界だったし、ちゃんと生きてて安心しました。

主人公とフュリオサがいい感じになるのかと思ったけど、そんなシーンはなかったわ。
最後まで男と女にならない、どこまでも人間同士な関係が観たあとのこの感覚につながる気がします。

最後のジョーが死んだってとこを見せて、人々が歓声をあげて、上の階から水が落ちてくる(軟禁?されてた太った女性たちが水を落とす)シーン、すごいすっきりしました。
ほんとに救いようがない世界だっただけに、自由というか喜びを手にしたあのシーンはよかった。

ただのうるさい映画かと思いきや、フュリオサが死んじゃうかもしれないシーンとか感情移入できる場面もあってよかったです。
女って強い、かっこいい女たちの映画でした。


男尊女卑的だし、道徳的にイカれてるバイオレンスな世界だとは思うんですが、全部が無情だ不条理だと思えるような世界と戦う人々の本能が、情熱が、すごくかっこよかったなと思います。アツい映画でした。


映画観に行く前、観た後内容のキツさでへこんでたらどうしようとか、ピーマンの肉詰めってつなぎにパン粉いるっけ?とかグダグダ考えてましたが…全然そんなことなかったね(笑)

観る前の私「ピーマンの肉詰めってつなぎにパン粉いるっけ?」

観た後の私「パン粉なんぞなくてもつないでやるわぁぁ!!」

謎のテンションになったうえに、財布の紐がゆるみそうで怖かったです。







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