意識の世界
2015/05/15 09:26

『こうして、思考は現実になる』
パム・グラウト著 サンマーク出版


どういう本かといいますと、
「自分の願いに意識を集中して願いを叶えようということが目的(たぶん)で、そのために、原理を理解して、訓練をする。」
その指南書的な?←


正直、私は願いを叶えるよりも意識について科学的な面から書いてるところに興味を持ってました。

「欲しいものを明確にし、そこに意識を集中することで望む結果になる」というのはいろんな自己啓発書とかスピリチュアル的な本で言われてることですが、それは何故なのか、私にとってとても興味深いです。

「望めば叶う」というのは魔法みたいで、非現実的で、スピリチュアルで、ありえないことっぽいです。
でも、その言葉の真意を考えたとき、「欲しいものを明確にし、そこに集中することで、考え方や行動が変化して、結果として望むものが手に入る」ということなのではないかと思うのです。

例えば、新しい靴が欲しいと思っていると、人の靴を見たり、ファッション誌を見たり、何かと靴に意識がいく…そんな経験なら誰にでもあると思います。
「意識しているものに集中して五感が働いている」ということ。

そのネガティブバージョンもあって、たとえば、職場に誰か会いたくない人がいたとして、その人に会うのが嫌だなと思っていると、いないのにいるんじゃないかと思ってしまう。思ってる本人の意識には"存在している"ことになる。

人間の脳は膨大な情報の中から情報を選んでいて(そうでもしないと脳が追いつかない)、しかも自分に都合のいい情報を選んでいるらしいです。
人間は自分の主張を支持してくれる情報しか集めないというのはよく聞くし。

「望めば叶う」というのは、おとぎ話のようだけど、実はちゃんとした理由や過程があるんだと思います。

それに関して思い出したのが、『西の魔女が死んだ』の「見たいものを見て、聞きたいものを聞く」ように訓練する、ということでした。
やっぱり訓練のいるものなんだなぁ(汗)



この本では、宇宙のエネルギーにつながる、つながれば望むものが手に入る云々の話が出てきます。
この宇宙のエネルギーを「神」と呼ぶ人もいる。これは信じれば、誰でも使えるし、遠慮する必要もない。
…らしい。

この神についての内容が私にはすごくおもしろかったです。
神と聞いて思い浮かべるもの(宗教、キリスト…とか)はそれぞれと思いますが、たいていはいわゆる伝統的な神かと思います。この著者曰く、宇宙のエネルギーはそういう神ではないようです。

・よく言われるところの男性ではなく、エネルギー。『スター・ウォー●』でいうところの「フォース」みたいなもの。
(まったく別の本で見たのですが、天野さん(FFのキャラクター描いてる?人)も「スター・●ォーズは神話」っぽいこと言ってたなーと思いだしました。彼の言っている神話とこっちの神、神話って意味合いが違うと思うけど、通じるところがあるかなと思った。)
・選ばれたものだけの願いをかなえるわけではない。誰でも使うことができる。
・苦しんだ人に報酬をあたえ、自分を犠牲にする人をかわいがるようなことはしない。
・厳しい要求はしない。人を裁かないし、罰も与えない、考えることもしない。


伝統的な神は神を定義、あるいは利用しようとした人たちによって、男性で、選ばれた者だけが愛され、自分の要求に背くような者には厳しい罰を与えると思われてきたわけで、本当は違うらしい。
でも、このほうが下手に傷つかなくていいような気がしますね。
理不尽なことにあったとき、災害とか本当に被災した人たちが何をしたんだろうと思わずにはいられないですが、この著者の言うような「神」を信じていたほうがそこに関しては苦しまないでいられる気がします。
この伝統的な考え方だって、「自分はこんなに頑張ったんだから助けてくれよ」ってことだし。
話がすごく自分に偏ってしまうのですが、努力したってどうにもならんことはどうにもならんと思うようになりました。極端に言えば「努力すれば夢はかなう」のは幻想だということ。元陸上選手の方とか柔道漫画の中の言葉なんですが、「努力ですべてがかなえられるわけではない、でも夢をかなえる人はみんな努力している」、このほうが好きだなと思うようになりました。
そういえば、水木しげるさんの七カ条みたいな(ツイッターで見ただけ)のでも「努力は裏切る」ってあったな。
前の私なら、じゃあ自分が頑張ってることは無駄なのかと思ってしまいそうだけど、だからこそ「自分の好きなことをやる」んだなって思うのです。裏切られようがなんだろうが、自分の好きなことに情熱も時間もかけたいなと。
「やらずにはいられないことをやる」(水木しげるさんの七カ条)ってこのことなんだなとしみじみ思ってます。


話は戻って、著者のいうエネルギーが「誰にでも使えて、望むだけでいい」のならば、疑問点がいくつか。

極端な話「オレひきこもってますけど、アイドルばりにかわいい彼女をください」という願いも叶うのだろうか、極端な話なんだけど。著者の定義ならかなうことになるけど、それはムリじゃないか?と疑問であります。自分の妄想で「オレの嫁」というならかなってなくはないか…
何個か例のお話もでているのですが、その中で「私はやることはやりました。あとは神様あなたの番です。」という話があったので、この「望むだけでいい」というのは行動を前提としているのだろうか。それにしては明確な記述がなかったけど。

相反する願いはどうなるのだろうか、ということ。
著者が「ピアノが欲しい」と思っていたら友人から譲り受けたという話の中で、「私に無理やりピアノのレッスンをさせられている娘はずっと私を恨んでいる」とあったけど、娘はエネルギーとのつながり方で母である著者に劣っているから、させられたくないレッスンを受けることになってしまったのか?その場合、互角の力の持ち主が同時に相反する願いを抱いたならどうなるのだろう?

もうひとつ。殺人とか戦争とか、そういう誰かを不幸にする願いもかなえられるのか?という疑問。著者の話なら「エネルギーは誰も裁かないし、考えない」のだからルール上はかなうことになると思うのだけど…そうならこれは困る。それとも殺人や戦争は「社会的に間違っている」ことであって、エネルギーから見れば、宇宙から見れば、「OK」なことなのか?
それとも著者は人類全員が「よい願い」を抱いていることを前提にしているのか?殺人という願いの奥には純粋な「よい願い」があると思っているのか?


そうなると、このエネルギーに簡単に万歳はできないぞ…と思ってしまいます。
どうなんだろう、このへん。
そう思うと、伝統的な神様って社会の維持のために大事なんだよなって思う。そもそもそのためにつくられたようなもんか。

もし、そんな願いすら叶ってしまったら、たった一人の純粋な願いのために何千人死のうが宇宙にとっては関係ないのだとしたら、「愛がある」とは思えない。


そんな疑問を書いてしまったけど、とてもわくわくする、感動する話も何個かありました。
「演技好き」な少女は高校中退し、ドラッグ依存症となり、シングルマザーになった。お金の心配をしながら日々を過ごしていたけれど、「どんなことでも可能だ」と信じ続け、仕事や子育てをしながら演技グループに参加し続けた。そして、スティーブン・スピルバーグの目にとまり、ついに女優となった。
誰なのかは言うとしらけちゃうので(笑)
私はこれ読んで鳥肌たちました。好きな女優さんだし、この方が出てる映画も好きなので、すごく興奮した。マジかー!!ってなってました(笑)
いや、いい話を知れました。


長々と書きましたが、以上感想でした(笑←
物質は動き続けるエネルギーだということを発見したのは物理学者、エネルギーは共鳴するとかいろいろとおもしろいポイントはあるのですが、まとまらないのでもういいわ←
最後にこの本の冒頭にある言葉を紹介します。
私も常々、自然というかこの世界はすごいんだなと思うのですが。
旬の食べ物は体にいい、しかもその季節にくずれそうなものを解消してくれる(夏に夏野菜を食べるとか体を冷やせて体にいいとか)、暑い地域に育つ食べ物は暑い地域の人々にとって、空腹を満たす以外に栄養素的にも優れている…とか。
太陽光の強い地域と弱い地域では映える色が違っていて、それは人間や生き物に影響を与えている。ハワイテイストにはこの色、北欧テイストにはこの色。環境が生き物にそうさせているのかなんなのか。

自然現象とか解説されて「すごーい」って思うけど、こんなこと知らなくたって世界は「すごい」まま回り続けていて、人間はそれを解き明かしているだけで、昔は解き明かされたものにすごいって思ってたけど、今はこれだけやってもこれだけしか解き明かせない、まだ世界には未知の部分がたくさんあるってことに感動する。
私たちは数字や科学とかを信じて、おとぎ話を信じないけど、これらって相反するものじゃなくて、実は同じな気がするんですよね。見方が違うだけで。
虹は神様がつくったというと、あれは光がこう反射して云々、
あれは光が云々というと、おまえはつまらないと言うけれど、
それはどちらもあの七色に光る虹のことを言っていて、どの見方がいいっていうより、どっちも同じで、どっちも知るとさらに感慨が増す気がするんです。


誰が決めたか知らないが、世界には無駄がないんだなって思うのです。
そのことにただただ感心します←
その誰かは世界で「神」と呼ばれる存在より高い場所にいて、いろんな場所に現れるような気がするんです。崇めるとかそんなレベルですらない。崇められようなんて思ってもいない。ただいるだけ。人間が「あ!」って思ったときにひょこっと出てきて、またすぐどこかに消えてしまうような。大きすぎて、私たちがその中にいるのかも。
その意味では、この著者のいうエネルギーはとても理解できるなと思いました。

長々とすいませんでした(汗)



「科学の研究に情熱を傾けた者なら誰でも、宇宙の法則の中に“スピリット”の存在を確信するようになる―人間のスピリットよりはるかに高い次元にある“スピリット”だ。」
アルバート・アインシュタイン







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