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月明りの下、大きな木の元で2人は落ち合った。 「ロミオ!」
「アルフレド!」
お互いを見つけると互いの名を呼んだ。
歩み寄る2人。
「ロミオ、来てくれたんだね。」
アルフレドはにこやかに微笑んだ。
「僕が呼び出したのに、来ないはずないだろ!」 先に自分が言いたかった言葉を言われて、ドギマギしてしまうロミオ。
「ははは。違うよ、ロミオ。僕だって待ってたんだよ。」
そっぽ向いたロミオの顔をアルフレドが優しく覗きこむ。
目の前にアルフレドの顔が近付いて顔が真っ赤になるロミオ。
「あ!あのさ、今日呼び出したのはっっ‥!」
ロミオはドキドキする自分にフタをするように、本題を切り出した。
「そ、空!、星空を君に見せたかったんだ! 」
「え?」
ふとアルフレドが空を見上げると、そこには満天の星空が広がっていた。
「すごいな‥。」
「‥ア、アルフレドに見せたくて。。」
満天の星空を見上げたアルフレドは顔を真っ赤にしながらも一生懸命しゃべろうとするロミオに愛しいほどの視線を向けた。
「‥なんで、僕に見せようと思ったの?」
「え?、あっ‥えっと‥。」
ロミオははにかみながら目を閉じて話始めた。
「え‥っとね‥、アルフレドにこの星空をみて欲しかったんだ。ここは街の明かりも届かなくて僕の故郷と同じ夜空が見れるんだ。いつか、アルフレドに僕の故郷を見せたいって言っただろ?でも、すぐには無理だけど、ここから見る空はソノーニョ村と同じなんだ。いつかアルフレドと一緒にみたいと思ってずっとそう決めてたんだ!」
「‥‥。」
「あ!でね、ここは昼間煙突掃除してる時に見つけてね、それでね‥」
次の瞬間だった。
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