3
ガチャン。
カセラ教授の書斎に入ると近くのちょっときしんだソファへ座りこんだ。 「カセラ教授の書斎はいつ来てもたくさん本があるなー!」
見上げるほどの本棚にぎっしり詰まった本。 ロミオは改めて感激する。
「ん?」
ふと目線を机の方に向けると一冊の本が置いてあった。
「‥何の本だろう?」
手に取ってみると、その本には「白雪姫」とかかれていました。 しかし、まだ字がすべて読めないロミオは表紙の絵の女の子と7人の小人という事しかわかりませんでした。
「なんだろう?‥字は読めないけど、なんだか面白そう!」
その絵本が気に入ったのか、再びソファに腰掛け絵本のページを開いた。
「思ったよりも遅くなってしまったな‥」
冷え込んだ空気に白い吐息が舞うのを見上げ、上着の懐から懐中時計を取り出し、時間を確認するカセラ教授。 時間を確認すると時計を懐に戻すと被った帽子抑え、足早に帰宅路を急いだ。
――キィ。(ドアが開く音)
「ただいま、遅くなってしまったね。」
日がすっかり落ちて、灯がを燈っていない真っ暗な部屋に廊下からの明かりが部屋の一部を照らす。
「‥ロミオ?」
返事が無いのを心配してコートを脱ぎながら、暗い部屋に伸びる廊下からの明かりを頼りにロミオの姿を確認する。
「‥‥?、‥おやおや」 カセラ教授に笑みがこぼれる。 ロミオはソファに横になり、読んでいた絵本を胸元に落として、すやすやと寝息をたてていた。
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