小説 | ナノ







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「アルフレド!」


‥!
雨音の中にずっと聞きたかった声が響いた。
僕は顔を上げると、雨の中走ってきたロミオに気付く。

「‥ロミオ!」

「ごめん!遅くなって!」

「‥!アルフレド!?、ずっと雨の中外で待ってたの!??」

ロミオがずぶ濡れになった僕の姿を見て驚く顔を見て、僕は苦笑した。

「‥君を待ってたんだ、ロミオ。」

そう、僕はずっと待ってたんだ君を。
一人、崩れかけそうな時‥君に出会っていなければ僕は憎しみの心に支配されていただろう。

心配そうに駆け寄るロミオ。

僕は階段を踏み降りるとそっと、ロミオを抱き締めた。



「‥ありがとう。」

あぁ。神様。
この雨の様に降り注ぐ彼の存在にどれだけ感謝したらいいのでしょうか‥。



「‥アルフレド?」

ロミオは抱き締められるまま、きょとんと不思議そうな顔をした。




「‥。あ、雨‥止んだね。」

ロミオが僕の耳元で呟いた。
気付くと雨はぽつり、ぽつりと弱まって空の割れ目から光りが射し始めている。

「‥ロミオ。雨はいずれ止むんだ。」

「‥?」

それは癒される終わりを指すのではなく、この得た癒しを強さに変えるために、歩き出すために始まる‥。
‥そう僕は思った。

「‥あっ!アルフレド!見て!あそこに虹が架かってるっ!」

ロミオが空を指をさす。
振り返るとロミオが指さす方向には大きな虹が架かっていた。

まるで幸せのカケラの様な綺麗な七色の虹が。



「‥ふふっ、なんか神様からのプレゼントみたいだね!」

ロミオが僕を見て悪戯っぽくにっこりと笑う。



「‥うん。きっとそうさ。」






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