小説 | ナノ







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「‥‥ん‥」

静かに目の前が明るくなる。
ここは‥?‥

‥!、僕は周りを見回すと教会の入り口階段に寄り掛かる様に座っていた自分の現状に気付く。

「今日は確か‥昼からロミオと教会で約束して‥。それで僕はいつの間にか待つ間に、眠ってしまって‥。」

いつの間にか、晴れていた空は大きな雲が覆って教会の影が薄くなっている。
最近眠ってないせいもあって、いつの間にか眠ってしまった様だ。

「‥なんだか、とても暖かい夢だったな‥」

再び目を閉じて、さっきまで夢の中でロミオと今までの自分の記憶をたぐり寄せる。

「‥ロミオ‥。」

僕は厚い雲に覆われ始めた空を願うかの様に見上げた。



ぽつり。

手の甲に滴が落ちてきた。
そして、頬にも。

「‥雨?」


ぽつり‥ぽつり。

だんだんと雨の滴は多くなって地面を濡らしてゆく。

次第に雨は多くなりシトシトと降ってきてた。

「‥‥。」

けれど、僕は雨をしのごうとせず、その場を動かなかった。

濡れても構わない。
そう思った。
この染み渡る滴、滴が‥何故か心地良かった。

まるでロミオ、君みたいな気がした。

君が一粒一粒降って来る様な。

雨は恵みをもたらす。
葉っぱや花。
山や生き物。
そして、春の雨は包み込む様な優しい雨。
ずっと枯れない様に手当てをして癒してくれる。
染み渡り、新しい元気をくれる。

‥ロミオ。

君は暖かい春雨の様に僕の疲れきった心を癒してくれた。


草木がまた再び、生きる活力を雨からもらうように僕も、君から‥

君からもらっていたんだ。


‥アルフレドは自分の身体を抱き締めた。







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