小説 | ナノ







〜spring rain〜プロローグ



晴天に恵まれ、澄み渡った空を僕はいつも見上げる。

きっとこの中には僕が望んだ世界があったんだってそう思ったんだ。

あの日、僕が君と出会った時、振り払った僕を君は追いかけて何も聞かずに一緒にいてくれた事がすごく嬉しかった。

慰めよりも同情よりもあの時、なにより求めていたのは――きっと‥。


『アルフレド!』


君が僕の名を呼ぶ度に僕は気付いた

――僕はずっと生きていく中にはこんなにも救われていく自分がいることに。

―ロミオ‥、


―――君を想うよ――



この春のように暖かくそして、穏やかに――。






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