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「‥!」
ロミオの唇に温いものが触れた。
驚いて目を開けると、ロミオの唇をアルフレドの唇が塞いでいる。 静寂しきった周りには微かな風だけが2人を包み込む。 ロミオは目の前の出来事が理解出来なくて、ただ胸の鼓動が早くなっていくのを感じた。
(ア、アルフレド‥!?)
今の状況に驚きと動揺、そして、ずっと夢見ていた現実にロミオはただ身を任せるしかなかった。 ずっと続く、長い口付け。
身動きが取れずに甘い時間だけが過ぎ去っていく。
目の前がクラクラする。 もう立っていられないと思った時に唇が離れた。
「ア、アル‥フレド‥?」
まだ甘い夢から覚めたくないような気持ちを押し止め、ロミオは静かに瞳を開き、目の前の出来事を確かめる。
「‥ロミオ、嬉しいよ。ねぇ、ロミオ‥知ってるかい?、花や植物は太陽がないと生きて行けないことを。人だってそうだ。太陽が無ければ、生きて行く標が見えない。僕にとって君は、そんな太陽のような存在なんだ。‥だけど、僕はそれ以上に太陽を誰よりも独占したい、誰にも触れさせたくない。誰にも目を向けて欲しくない。‥こんな自分勝手な気持ちの僕はどうしようもなくて、おかしいだろ。。。?」
そして、アルフレドは少し哀しそうに微笑んだ。 すると、ロミオの瞳からひとすじの涙がつたった。
「‥同じだよ。。アルフレド。ずっと僕は君に憧れてきた。みんなが君を必要としているのを僕は応援しながらも、心のどこかで独占したい気持ちを隠せなかった。君は今、僕たちを照らしている月と同じだ。すべてを見守り続けてくれてる。僕は君が見ていてくれるから前に進めるんだ。同じ空の中で互いを支え合ってる。。なんだかうまく言えないけど、‥僕は月に憧れ以上の気持ちが止まらないんだ。。」
アルフレドを見つめるロミオの瞳にはたくさんの涙でいっぱいになっていた。
「‥ロミオ!!」
今にも溢れてしまいそうなロミオを強く抱き締めるアルフレド。
「ロミオ‥。君が好きだ。」
「アルフレド!、僕も‥僕も‥君が好きだ‥!!」
互いに強く抱き締め合う2人。
「ロミオ、君は太陽。そして、僕は月。僕たちは互いを必要としている。。求め合ってる。そして、きっとこれからもずっと‥‥。」
月が見守る中、ふたりは寄り添い、互いの指を絡めながらこの時がずっと続くようにと祈るかのように長く熱い口付けを交わした。
まるで月と太陽が惹かれあうかのように。。。
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