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変態、と呼ばれているのを聞いたことがあるけれど。実際はどうなのだろう。人並外れた美しい外見を持つ彼の、本性というか真の姿は、どうなのだろう。

「白石君」

呼べば、人懐っこい笑みを浮かべながら、なんや?とそれはまた綺麗な声で返ってくる。白石君は、誰にでも分け隔てなく優しい。頭も良くてテニスも上手で、本当に非の打ち所がないのだ。

そんな白石君に

「白石君は、変態なの?」

という質問をぶつける。

瞬間、彼はポカンとした。そしてそんな顔ですら可愛いと思えてしまった。いくらなんでも直球すぎたか。けれどすぐに表情を変え、笑う。細められた目が素敵だ。

「俺が変態かどうか、知りたいん?」
「うん」

即答する。
そんな私の答えを予期していたかのように、白石君は今度は表情を変えずに私のすぐそばまでやって来た。


「ほな、試してみるか?」


私の頬に触れる指先。ゆっくりと、首に向かって撫でるようにおりて行く。
トク、トクと、鼓動の感覚が短くなるのがわかる。彼は、こんな風に女の子に触れるのか。彼は優しく慈しみながら触れるのだと思っていた。けれど実際は、酷く扇情的で艶かしい。

「いいの?」

いつもの優しい白石君とは違っていてドキドキする。
胸を高鳴らせながら問えば、白石君は驚いたように目を開き

「いいのって…いや、逆に俺こそええの?」

信じられない、というように問うた。

「どうして?」

もしかしたら、先ほどの誘うような言葉は、彼なりの冗談だったのかもしれない。けれど本気にして、本気の答えを返してしまった私はもう後には引けなかった。

それに、やっぱり知りたいのだ。彼が、変態なのかどうか。

「いや、その…ほんまに意味わかっとる?」
「もちろん」
「俺、ほんまにすんで?めっちゃ変態かもしれへんで?」
「大丈夫だよ」

私がそう言って頷いても、白石君は悩ましげにあーだこーだと呟いている。どうしてそんなに躊躇うのだろう。私は一向に構わないのに。

私のことよりも、今は白石君が変態かどうかを確かめられる絶好のチャンスなのである。このチャンスをみすみす見逃すなんて、私には出来ない。

「ほんまにええねんな?後悔せえへんな?」
「うん。だって」

イケメンで変態だなんて、最高じゃない。

思い切ってきいてみた
(「変態な女の子はお嫌い?」「いいや、最高やで?」)
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