*もしダイゴさんに拾われていたら・・・、
よくわからないまま、ポケモンの世界にトリップ(?)して、1週間が経った。
最初はわからないことだらけだったが、少しずつこっちのことも理解してきたと思うの。
そしてそれは、ダイゴさんの一言から始まった。
「えっ?手持ちですか?」
「うん。」
ほとんど家具の無い彼の家で朝食のしたくをしていたら、私を拾ってくれたイケメン御曹司の彼にいきなり質問されたのだ。
手持ちのポケモンは欲しくないのか、と。
あ、まずは火を止めないと。
「いきなりな質問ですね。」
「本当は前々から聞こうと思っていたんだ。」
ダイゴさんは朝から笑顔だ。
そしてイケメンオーラもすさまじい。
まだ彼のオーラに慣れていない私はそのことを考えないように、フライパンにある目玉焼きをお皿に移すことに神経を集中させる。
うまく乗っけられたところで(ちなみに卵は一番高いヤツだった)、ダイゴさんの質問内容をきちんと考える。
手持ちのポケモンかぁ・・・。
ぶっちゃけ、欲しい。
やっぱりポケモンの世界にいるんだし、なんかこう、これぞポケモン!的な感じのが。(そして強い子だとなお良い)
朝食をテーブルに運び、私も席につく。
「強いて言うなら、」
「言うなら?」
「ミカルゲが欲しいです。」
強いポケモン、と思って最初に出てきたのはこの子だった。
弱点なし、しかも種族値(すばやさをのぞく)がそこそこいい感じだったはず!(弱点なしなのはヤミラミも一緒だけど、種族値を考えちゃうと・・・、ね、)
それに封印とか催眠術とかが使えて、単体でもサポート要因としてでも戦えると思うの!!
「ミカルゲ?」
「はい。・・・ダイゴさんは知ってますか?」
「もちろん。かなめいしは欲しいと思ってたからね。」
にこにこ、と幸せそうな顔で話すダイゴさん。
・・・うん、彼は本気で石が好きなんだな。(わかってたことだったけど)
もう石と結婚しちゃうえばいいと思う。
なんて色々頭の中で考えていたからすっかり抜けていたが、そういえばヤツはシンオウのポケモンだった。
そして、トリパ向けだった。
「あっ、もしかしてシンオウのポケモンはちょっと無理がありますか?」
「うーん・・・。そうだね、ちょっと時間がかかるかもしれないな。」
そう言って苦笑するダイゴさん。
うん、目玉焼きはおいしく焼けたみたいです。
黄身もちょうど私好みな感じだし!
「なるべくホウエンで考えるとうれしいな。」
私と同じように目玉焼きを食べながら、またダイゴさんが聞いてきた。
えっと、
ホウエンで、かぁ・・・。
バンギラスはジョウトのだし、フライゴンとボーマンダは強いけど氷が4倍だしなー・・・、(それでも強いと思うけど)
ホウエンの最初の3匹も好きだけど、あれは珍しいポケモンの設定だった気がするからダメだろう。
色々と考えた結果、ビジュアルが一番好きな
「ゴクリンがいいです。」
という事になった。
可愛いですよねー、ゴグリン。
あのゆるい感じが好きです!
進化したマルノームのつぶらな瞳もキュートだし!!
「ゴクリン、か。」
「はい。」
「確かキンセツの近くに生息してたと思うな。・・・よし!」
ガタン、と席を立ったダイゴさん。
どうやら朝食を食べ終えたらしい(私も食べ終わった)
「ナマエちゃん、今からゴクリンを捕まえに行くよ。」
「え?」
「ほら、はやく準備して。」
「あの、ちょ、」
確かに私は手持ちにゴグリンが欲しい、と言った。
だけど、今日、しかも今からですか!?
反論してみようと考えたがやっぱりゴグリンは欲しいので、今だけ彼の行為に甘えることにしよう。
ココドラとか、クチートとか、ラルトスなんかも捨てがたいんだけどね!!!
石ドルヒーロー、ダイゴさん!
(数時間後、私は初の手持ちポケモンをゲットするのであった)
∵こんな話を書いてみたかった。ちなみに石ドルとは「石アイドル」の略です。ストーンゲッターの方がよかったかな。