*ダイパのアニポケキャラのシンジ(ライバル)とジュン(準ライバル?)の性格を掴む為のただの馬鹿話
広い草原のような場所でサワムラーとエーフィの熱いバトルが始まろうとしていた。
「行くよ、ジュン!」
「いつでも来い!俺の素早さを極限まであげたサワムラーが火を噴くぜ!!」
「…火は噴かないと思うが。」
紫色をした髪の少年が、黄色いヒヨコ髪をした少年(名前をジュンというらしい)の言葉に冷静にツッコむ。
「言葉の比喩に決まってるじゃんかよー!!」
「ふん。」
ドダイトスの背に寄りかかりオレンジ色の液体――おそらくオレンジジュースであろう――を飲んでいる紫の髪のポケモン廃人、シンジ。
どうやら彼はこの戦いに毛先ほどにも興味がないようだ。
「ジュン、個体値廃人はほっといてさ、早くバトル始めようよ。」
「そうだな、ナマエ!!俺の活躍を見てろよな!シンジ!!」
早くバトルをしたい気持ちが強いのか、エーフィを出した少女、ナマエはジュンをせかす。
その気持ちは彼に通じたが、ジュンはシンジに自分の強さを見せつけたいらしいのでは、と彼女は分析する。
シンジに憧れていたジュンの気持ちはわかるが私も負ける気はさらさら、ない。
「行くぜ、サラムラー!ブレイズキック!!」
「サイコキネシス。」
攻撃を繰り出そうと素早く動き出したサワムラー。しかし、目標物に到達することなく動きを封じられた。
これは圧倒的な初期微動の速さ、つまり素早さを上げても越えられなかった種族値の違いが原因なのかもしれない。
彼のサワムラーも中々速かったが、少女のエーフィはもっと素早かっただけの話だ。
サイコキネシスを受けて空中で苦しそうにあえぐサワムラー。
ナマエがこの声を聞いてなんかエロいな、と思ったのは心の中の出来事である。
「サ、サラムラー!!」
「そのまま地面に叩きつけて。」
最後のダメ押し、と言わんばかりに少女は指示を出す。
効果は抜群の攻撃とトドメと言わんばかりに地面に叩きつけられたサワムラーにもう戦う気力なんか残っておらず、戦闘不能状態だった。
「お、俺の素早さを極限まであげたサワムラーが……、」
それさっきも聞いた、とツッコんであげないのはおそらくナマエの優しさであろう。
ついでに手持ちにいるスターミーを使わないのも彼女なりの優しさ2である。
ジュンの手持ちは既にわかってるので一応対策用として持ってきたが、誰だって3タテされるのは精神的ショックが多いからね、と少女は考えるからだ。
まぁ、このバトルは2対2なのでそんな心配もいらないと思うが、完封されるのはされたら相当なショックだろうし。
「よく頑張ってくれたな…。次はお前だ!!」
そう言って黄色い髪の少年は、エンペルトを繰り出した。
「よく育てられてるじゃない。」
ナマエは素直にそう感じた。
毛並みもいいみたいだし、何よりエンペルトから強い意志を感じる。
「なら、私はこの子で勝負!」
少女はノーダメージのエーフィを一度ボールに戻し今度は別のボールを投げる。
赤い光線に彩られ出てきたのは、おながポケモンの
「エテボース、…?」
「うん。」
2本の尻尾が特徴的なエテボースだった。
予想外のポケモンの登場に、野外で見ていたシンジも驚きを隠せないようだ。
「はっ!ねこだましは喰らわないからな!!」
もはやテンプレと化しているテクニシャン+ねこだましを想定してか、焦ったようにジュンが喚く。
「エンペルト、即効で行くぞ!ドリルくちばし!!」
素早い動きでエテボースとの距離を詰めるエンペルト。
ナマエはその様子に動じることなく、
「かみなり。」
と、指示を出した。
「何だって!?エンペルト、避けろ!!!」
空からの鋭い雷撃が降ってくる。
ジュンの素早い指示がよかったからか、なんとか直撃は避けたようだが大分ダメージを喰らってしまったらしい。
大丈夫かエンペルト!?、と聞くジュンから離れたところでシンジがポツリ、と一言。
「特殊技を入れたエテボースか…。ふん、中々面白いな。」
「育てるの大変だけどね。」
シンジの独り言はナマエには届いていたようで、笑って話す少女。
「よしっ、ここは起死回生を狙ってハイドロカノン!!」
戦う意思を取り戻したらしいジュンはエンペルトに大技を繰り出させようとする。
自分に不利な技があるのと分かったからか、一撃で沈めたいらしい。
「え、ちょっ、エテボース!もう一度狙いを定めてかみなり!」
もともとエテボースはそんな大技当たらなくても大抵の技で落ちてしまう。
避けるという選択肢にあるが、あの技からかすりもせずに逃げられるか、と問われれば五分五分。
だから相打ち覚悟でも確実に仕留められそうな技を指示すべき、とナマエは考えた。
本来なら次はけたぐりでもしようかな、と考えていたが近づいている暇はなさそうだ。
エテボースにハイドロカノンが、エンペルトにかみなりが、それぞれ同時くらいにヒットした。
紙耐久のエテボースは大技の直撃に戦闘不能。
ある程度耐久のあるエンペルトはふらふらと踏ん張ってはいたが、効果は抜群の高威力攻撃には耐えられずこちらも戦闘不能。
つまり2戦目は引き分けとなった。
「…ってことは、この勝負私の勝ちね。」
手持ちが2匹とも戦えなくなったジュンだが、ナマエにはまだエーフィがいる。
だから私の勝ち、と少女は思う。
「くっ…!やい、ナマエ!やっぱり3対3で勝負だ!!」
「えー!最初に2対2って言ったじゃない!」
「2対2なんてすぐ終わっちゃってつまんないし、やっぱり3対3の方がいいって!」
「却下。」
「あと1匹くらいならいいじゃんかよー!!」
「やだ。負けたアンタはおとなしく家でポケモンの塗り絵でもしてな!」
ジュンを指差してよくわからない決め台詞を吐くナマエ。
その言葉を聞いていたシンジは、それはギャグで言ってるのか?と本気で考えてしまった。ジュンも同じだった。
シンジのドダイトスだけがのん気に欠伸をしていた。
<終われ>
∵とりあえずシンジとジュンくんの見納め記念に…。キャラは掴めてるかな…?