私の好きなポケモン、それは草タイプだ。

世間では弱点が多すぎて使えない、なんて言われてるがその弱点をカバーできるくらいの能力はやつらに備わってると思う!
多彩な変化技を覚えるし!!
唯一の弱点として『タイプ:草』ってポケモンもいるわけだし!!!(特に強いポケモンなんかは)


私が何を言いたいかというと、草タイプの能力を誤解してる人が多すぎる!ということなのだ。



「もうその話、何回聞いたと思ってるんだい?」

「何十回、いや何百回言っても私は飽きないよ。」



ヘルメットをつけた彼の背中に言葉を飛ばす。
隣にいる彼のラムパルドは、なんだか眠そうな気がする。

私の相棒であるリーフィアは化石を探してるヒョウタの行動に興味津々のようで、彼を見つめたまま動かない。
そんな動かないあなたも、素敵だ!



「草タイプ=弱い、って世間の目を見直させてやるためにも、私は旅立ちたいのに、さー。」

「またホウエンは遠いからダメ、って言われたのかい?」

「うん・・・。」



こんな私には1つ、夢がある。
確かに草タイプ使いは愛で乗り切らないといけない部分も多々ある。

でも!

でも!!

草タイプでもやるときにはやるんだ!、という底力を世間に見せ付けてやりたいの!!!


そのためにも、草タイプの豊富なホウエン地方に行きたい。
一番狙ってるのはトロピウス。
草タイプなのに、飛べるだなんて素敵すぎる。
あとは草水タイプのルンパッパとか、草格闘タイプのキノガッサとか!(ものすごい画期的!)

でも私がその話をすると、両親は「遠いし、一人旅だなんて危険すぎる」と決まって反対される。



「ヒョウタも一緒に行ってくれればいいのに。向こうにだって化石はあるんでしょ?」

「確かに向こうにも化石はあるし、興味もあるさ。けど、一応僕はここのジムリーダーだしね。」



ヒョウタの顔は見えないけど、おそらく苦笑しているのだろう。
いつもこんな話の流れだから。

両親だって、幼馴染の彼がついてくれば何も言わないと思うのにさ。
(前に何も言わずに飛び出したら、シンオウを出るギリギリ手前で捕まってしまった。それ以来、親のガードは固くなっている)


さっきまで動かなかったリーフィアが私に擦り寄ってきた。
可愛いなぁ、と親ばかの様なことを思いながら頭を撫ででやる。

ラムパルドは完璧に夢の中のようだ。





いつもならここで大体会話が途切れる。
でも、今日の団吉ナマエちゃんは一味違うのよ!!

最近知り合って仲良くなったナタネちゃんからヒョウタを動かす、最高の秘策を伝授してもらったのだ!(ふふん!)



「うん。やっぱりヒョウタは忙しいもんね。なら、デンジさんにでも頼んでみようかな。」

「デンジくん・・・?」



おっ、化石に夢中だった眼鏡ヘルメットがこっちを向いたよ!

効果はテキメンのようだ。



「最近ちょっと知り合ってね。で、彼はシンオウ最強なんでしょ?」

「うん、まぁ・・・。」

「なら、あんまり挑戦者とかいなくて暇じゃないかな、と思って。」

「確かにそうかもしれない、ね・・・・・・。」

「なら、誘ってみよっと!相談に乗ってくれてありがとうね、ヒョウタ。」



にっこりとお礼を言って、彼の横を通ってクロガネ炭鉱を後にしようとする。
リーフィアも空気を読んでか私に付いてきてくれた。(良い子!)



「じゃ、お先n「待った!!」・・・?」



その声に振り返ると、ヒョウタが真っ直ぐに私を見ていた。
眼鏡越しの視線のはずなのに、すごい力を感じて。



「・・・やっぱり、やっぱり僕が行く。」

「え?」

「ジムの皆に話つけてくるね。」

「あの、ちょっ、」



炭鉱の造りを熟知してるヒョウタはさっさと地上に帰っていってしまった。

私としては状況を把握するのに少し時間がかかってしまって。


デンジさんの話題をちょーっと出しただけで、いつも取り合ってくれなかったホウエン旅行をOKしてくれるなんて・・・!
まるで夢みたいだ。

あ、ナタネちゃんに報告しておかないと!



「リーフィア、私達も行こうか。」



この問いかけに答えてくれる相棒も、なんだか嬉しそうだった。

そうそう。置いてきぼりをくらったヒョウタのラムパルドも起こして行かないとね。










入れ知恵の成功
(「ナタネちゃん!私、ホウエンに行ける事になった!」「それはおめでとう!(でもその様子だとヒョウタくんの嫉妬には気づいてないみたいね・・・)」)





∵リーフィア可愛いよ、リーフィア。
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