本を読んでいる長次と、その背中にもたれ掛かるように座っている小平太の二人を見て、呆れたように言う。 お熱いな。見ているだけでリア充爆発しろと呪文を唱えたくなるよ。そう意地の悪そうに唇の端を歪める仙蔵に、小平太は違うよと答えた。 視線は澱みなく、まっすぐに仙蔵をとらえている。 「これは愛情でも友情でもましてや敬慕でもない。長次がいないと生きていけない。ただの依存なんだ」 あまりにも当然のことのように言われて一度、二度とまばたきをしたあとそうかと呟いた。 右手を顎にもっていき、考え事でもするようにぶつぶつと何かを小さく言っている。 それから不意に納得がいったように面をあげると、嬉しそうに破顔した。 「なんだ、私たちと同じか」 |