*志度ちゃん宅のアサミちゃんをお借りさせて頂いてます。






「…あの、すみません」

ぽつり、と小さくアサミは言葉を口にした。その小さくまるで呟くような言葉を耳にしたナトは特に気にした様子もなく、手に持つ袋を持ち直す。

「…別にええよ、僕かて暇やったから」

「……え、でも…」

「それに、そないな小さい身体でこんな重たい袋持たれへんやろ?」

ナトの最もな言葉に渋々ながらも、"そうですよね"と苦笑いを浮かべたアサミはナトが持つ袋へと目をやった。

袋には沢山の生活用品、これを全て今の自分で持つ姿を想像してみたアサミは顔を青くした。とてもじゃないが、持って帰るのは不可能だろう。その分には今回ナトが居て運が良かったと感じる。


「ほんま、アサミって子供やのにいらん所で気い遣うなァ」

「…なっ、子供扱いしないで下さい」

「ほんまの事やんか」

へらり、と笑いながらアサミを子供だと口にするナトにアサミはむっと顔を歪める。反論してもちゃんと聞いてはくれないナトにアサミはため息を漏らした。

「…前は子供っぽく無いなんて言っていたのに、今は子供ですか」

「子供っぽいし、子供じゃ口にせんような言葉言うしアサミはほんま分かれへんわ」

笑みを浮かべながら言葉を口にするナトに分からないのは彼だとアサミは内心口にする。何かと笑みを浮かべては人が気分を悪くするような言葉を吐く、嘘なんて日常茶飯事だった。


「…あ、あれ買うって言うてなかった?」

「…あ、はい」

そんな事をしてどんな気分なのだろうか?自分が知ったとこじゃないが、一度気になればそれはそれで気になるものだ。

店の中に入り、カウンターへと足を進めるアサミの後ろをナトが付いて歩く。この店は色々とトレーナーに必要なボールなどが安く質も良いためか、お客は毎日かなりの数だ。


「あ、すみません、ハイパーボール5つと傷薬を2つ下さい」

何時ものように、店員さんに声を掛ければ何時もと変わらない笑顔を浮かべ目的の物を差し出してくれる。それを手にしお金を払う、そう何時もと変わらない。変わっているのはアサミの後ろで待つナトくらい。



ありがとうございました、と言われながら店を後にする。店の袋を持ちながら目の前を歩くアサミにナトは口を開く。


「そう言うとこ、子供に見えへんねんで?」

「……え、?」

突然の言葉に吃驚したようにナトに振り返ったアサミの顔は案の定意味が分からないと言ったような表情にナトはまた、へらりと笑い言葉を発した。

「…笑うときとか、今日のあの店でも子供が見せるような表情してなかったで?」

「…そう、ですか…?」

内心、アサミはどきりとした。自分はそんなに難しい表情をしていたのだろうか?もしかしたら、ナトにからかわれているだけなのかもしれない。たが、そんな事ナトが口するだろうか?


どうなんだろうか、と疑問に思うアサミの隣からクスクスと笑い声が聞こえた。はっ、と我に返りナトを見れば案の定笑っている。

「…か、からかいましたね!」

「からかってへんよ、ただアサミがそんな難しそうな表情するからやで」

笑いが止まらない様子で口にするナトにアサミはまたしてもため息を吐いた。それを横目にナトはえみを浮かべた。


嘘を吐き出してみる

end



* * * *

本当に申し訳ない。話に落ちがないと言うか何と言うかスランプ過ぎます。

ナトとアサミちゃんのお話2個なのにお話が上達してないスランプとか…。

では、志度ちゃんありがとうございました!
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