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(ナト シリアス(?))


――――パァン、とそれは耳の鼓膜が破れてしまいそうなそんな音が鳴り響いたのだ。それと同時に肩辺りから熱を帯びて大量の血が噴き出した。

「………っ、」

即座に自分の手でその熱が帯びた場所を押されば、激痛が身体中を駆け巡り何とも言えない感覚へと堕ちる。

ゆっくり、と体制を立て直し目の前の自分を撃った人物へと目をやれば嬉しそうに笑みを浮かべた。


「……はっ、拳銃なんてセコいもの使うんや?」

「…セコいなんて、俺には関係ないさ」

"それを渡しさえすれば、見逃してやるよ"そう言って、僕へ手を出した。嗚呼、とんだ誤算やね……油断した、と言うべきか。笑みがこぼれて、止まらない。

「…何を笑ってるんだ!」

ガッ、と胸倉を掴まれ僕の身体は宙へと浮く。ほんまに大柄な人やなァ…僕でも片手持ちなんか。宙に浮いた僕の頭らへんでカチャリと音が鳴り何か硬いものを当てられる、拳銃だと直ぐにわかった。

「…こんな子供を撃つん?」


へらり、と笑ってやれば男は悔しそうに僕を睨んだ。……そして、本日二回目の銃声が鳴り響く。


「――――っ、」

凄まじい銃声と共に熱を帯びたのは横腹らへんで、僕の身体は投げ捨てられ地面へと身体を打ちつけた。その衝撃に意識が飛びそうなほどの激痛が肩と横腹からして呻き声を上げる。


「……はっ、餓鬼が」

身体が地面に倒れてから、立ち上がれなくただただ地面に身体を預けていればコツコツ、と足音と声が此方に向かってきた。嗚呼、奴か……とゆっくり顔を上げれば案の定そいつが見える。

「…ははっ、ほんま滑稽やね。面白いわ、君」

「……なに、っ…?」

ついつい、声を出して笑ってしまう。だってこないなもんに、必死になってこんな子供を殺すやなんて面白くてたまらへん。僕には一生掛かっても分からへんことやけど、

「…けど、僕も此処では死なれへんから」


カチャリと懐にあった拳銃を握り即座に男に向け引き金を引けば、パァン!と凄まじい銃声が鳴り響き呻き声すらも上げれへんまま、男の頭から血が噴き出した。


ベチャリ、と返り血が僕の全身に付き真っ白だった筈の僕の髪やコートは真っ赤に染まり、本来の色がまるで赤だったかのようになる。

男の身体は重力に従いバタリ、と倒れる。とても、呆気ないもので人間は脆いものだと改めて思った瞬間やった。

end


* * * *

取りあえず、銃に撃たれて欲しかったお話。拳銃を持つのもしたかったお話ですがやっぱりスランプだ…。






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