「…なあ、ナツミ」

「どうしたの?」

カラン、とコップに入った透明な氷が音を鳴らした。

ナトはそれをまた手に持つストローでカランカランと退屈しのぎのように音を鳴らしながら、目の前でオレンジジュースを飲むナツミに声を掛けた。

声を掛けられたナツミは頭にハテナマークを浮かべ目の前のナトを見れば、ゆっくりとナトが言葉の続きを口にした。


「"白"って人、ナツミの知り合いなんやったっけ?」

「ああ、白くんのこと?」


"幼なじみなんだよ"っと嬉しそうに笑い出したナツミ。白が話題に出てから表情が変わったのは誰もが分かったことで、


「すっごく優しいんだよ、」

「へえ、そうなんや」

楽しそうに語り出すナツミを目にしているナトはコップの中にある氷をストローでザクザクと砕く。少なくともナツミの話が退屈では無く、逆にナト自身とても興味深くて堪らなかった。

「あれ、そう言えばなんで白くんのことナトが知ってたの?」

「んー、なんでやろうね」

「もう、ナトは直ぐにそうやって茶化すんだから」

へらり、と笑いながら口にしたナトにナツミは諦めたような表情を浮かべる。毎回のことながら、ナトの性格には慣れてしまっていた。

「で、ナツミはその"白"って人が好きなん?」

「ちょ、!ととと、突然何言ってるのっ…!」

ナトの突然でストレートすぎる言葉にナツミはかああ、と顔を赤く染めた。それは今にも頭から湯気が出てきそうなくらい熱く赤くなる。

その表情にくすくす、と笑い出すナトにナツミは大きくため息を吐いた。相変わらずだな、なんて思いながら赤くなった顔をどうにか冷やそうと視線を外した。

「……」

その視線を外したナツミを横目で見ていたナトは先ほどナツミがした行動に興味が確実に"白"に向いて気になっていた。



* * * *

短くなるようだったから此方にしてみた。園ちゃん、央ちゃん、ナツミちゃんと白くんお借りさせて頂きありがとうございました!
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