幸せなのかも、なんてもう、殆ど動かない頬を持ち上げて笑みを作ってみせた。

ぽたり、ぽたりとまるで雨のように止まらない彼女の涙は彼女の頬を伝い私の頬へと落ちてゆく。彼女の涙はとても、綺麗だった。

薄れる視界と朦朧とする意識の中で、ゆっくり、ゆっくりと彼女の頬へと手をやる。汚い血で汚れないように、そっと頬を撫でた。

「…あず、さ…っ」

彼女の綺麗なソプラノ音が私の耳を掠めた。それに答えたくて、だけど声も動きさえも出来ない中、私は只黙って彼女の言葉を待つことしか出来ない。

本当は心配しないで、泣かないで、そう言いたいはずなのに。






「……千鶴、」

懸命に吐き出せた言葉はたったこの二文字だけだった。



* * * *

薄桜鬼の梓、勿論ハッピーエンドもあれば彼女にはバットエンドもあり、もしかしたらバットエンドの方が私にとったら書きやすいかもしれない。千鶴一筋な彼女は逞しく戦いそして散るような生き様が梓には合っているような。勿論、一人の人としての幸せも掴ませてあげたい。我が子愛!
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