「疲れた」

ぱたん、平介が飲み物を取りに部屋を出たとたんそう言って机に突っ伏してしまった鈴木
朝家を出るときは文句しか言ってなかったのにここにきて早三時間、なんだかんだ言って真剣に平介に教えてあげていた彼は顔を上げる気配がない。
「佐藤さ、午後から来るって言ってたよ」
「へぇ」
「大して興味無さげだね」
「別に、そうでもねえよ」
「ふーん」
佐藤いたほうがいいでしょ
たしかに鈴木に聞こえるよう言ったのだけど、返答は返ってこなかった。シカトかこら
でもまあそんなことには慣れてしまったから、いちいち気にしたりなんてしない。たまに急に不安になったり寂しく感じたりはするけど、愛ゆえの言動かなって思えば私の糧になる。ってこの前それを鈴木に言ったらキモいって一蹴された

「ねー鈴木」
「んー」
「かまって」
「………後でな」
えっ?…返ってくると思ってなかったいつものやりとりの返事に、つい声を漏らしてしまった
だっていつもなら白い目で見られるか無言か適当にあしらわれるだけだから、いまのは完全に意表を突かれた。
「なんだよ」
「鈴木って狡いなーと思って」
何言ってんだ、馬鹿にしたその笑いも言い方も、ごくたまに不意討ちでくるデレ期も、結局私は鈴木のことが好きで好きでたまらなくって、
机に投げ出された鈴木の大きな手を両手でにぎればそれよりも少し強い力で握り返された







(実は俺らいるんだけどねー)(部屋に入るタイミングを完全に失ってしまった…)





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