バキッ、トイレから帰ってきた私の目の前で私の真新しい携帯が真っ二つに折れた。否、折られた。

「(また、折られてしまった…)」

かあさんになんて言おう…
彼の手の内で綺麗に二等分されてしまった携帯を含めてもう三台目。彼とつきあい始めてまだ半年とちょっと。

「(こいつは地球温暖化を深刻に捉えているのだろうか)」

目の前で起こっていることをまるで他人事のようにしかかんじなかった。まるで、他人の喧嘩をテレビの画面ごしに眺めているようなそんな感覚

「おい」

この人が嫉妬深いのは付き合う前からなんとなく解っていた。だって私が彼がいつもつるんでる2人の友達と話してる時もクラスの男子と喋っているときもとても嫌そうな顔をしていたから。
私は束縛されるのはいやじゃなくて、むしろ縛られたかったから彼から告白されたときは叫びたくなるくらい嬉しかった
そして向けられた嫉妬に歪んだ瞳。ぎらぎらとしたそれに心臓がふるりと震える

「ごめんなさい…」

なんどもくりかえしたこのやり取り。何がごめんなさいかなんて全然わからないけど自然に口から滑りでた台詞
かたん、うつむく私の視界の端に見えていた鈴木がゆらりと立ち上がった

ダンッ

一気に距離をつめられ、あろうことか胸ぐらを捕みあげられた。ドアにぶつかり、一瞬息が詰まる

「っ、」

胸元を両手で容赦なく締め上げられ、爪先立ちになるけれど籠められる力は強くなる一方だ。

「す、ずき」

「どうしたら、お前は…」

そんな泣きそうな目でみられても、
首元を押さえつけられ呼吸もままならない私がもう一度彼の名前を呼ぼうとしたら、その前に迫った鈴木の唇でそれは防がれてしまった





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