※ぬるいエロ+近親相姦








敦が家に帰ってきたわよ

電話越しに嬉しそうに話す母さんとは真逆に、それまで友達とショッピングを楽しんだ帰りでご機嫌だった私はその一言に戦慄した。
「え…よく聞こえなかったママ、もう一回言って」
『ええ?もー、だから、敦くんが家に帰ってきたの!知らなかったの?』
「嘘…だって、敦そんなこと一言も…」
『内緒にして名前のこと驚かせたかったんじゃないの?敦くん昔から名前のこと大好きだし、』
「……………。」
いやそんなサプライズいらねぇわ!
まだ何か喋り続けている母にむかって心の中でそう叫び、私は通話を強制終了させた。きっと後で怒られるんだろうけど今はそれどころじゃない。まずい、やばい、早く帰らなきゃ。
奴が私だけに内緒で帰ってきたという時点ですでに嫌な予感しかしない私は、荷物を抱え込み全力で家路を急いだ。


私には一人弟がいる。


彼がうまれるまで兄しかいなかった私は「弟」ができたことが嬉しくて嬉しくて仕方なかったらしく、当時肌身離さず持っていたぬいぐるみをほっぽってまでまだ小さかった彼をもてる限りの愛情で大切に大切に愛しがっていたそうな。そうして母や私を含めた家族全員から愛情を一身に受けてすくすくと育った彼はいつまでたっても甘えたな子供で、直列回路のように単純で明解な幼児のような性格をしていて、それがまた彼の可愛いところでもあったし大きくなっても私は相変わらず彼を猫可愛がりしていた。しかし彼が小学校高学年に上がったくらいからだろうか、元々大きかった彼は成長に拍車をかけたように更にぐんぐんと身の丈を伸ばし、それと同時期に私を「お姉ちゃん」から「名前ちん」と呼び方を変え、しまいには私を家族以上の「特別」な存在として扱いだしたのだ。
幸いなことに両親や阿呆な兄達は彼と私の変化に何一つ気付いていないが。

「お前…本当に期待を裏切らないよね」
「んっ、……名前ちん、」

「変態」

大して広くない私の部屋の床に横になって少しうずくまるでかい背中を私は憎しみを込めて思い切り片足で踏みつけた。それにさえもビクリと身体を揺らす変態に昔のような感情はこれっぽっちも湧かない。ふうふうと荒い息を繰り返す私の弟の手は股間に伸び、そこからまき散らされた精液がお気に入りの絨毯をべっとりと汚していた。乾いているように見えるのは気のせいだと思いたい。久しぶりに嗅ぐなつかしい異臭と腹立たしさについ眉間にしわが寄るが、予想通りすぎたこの惨状に怒りを通り越してもう呆れるしかなかった。

だってもう数年前からずっとこうなのだ。

思い返せば最初は洗濯に出しておいた私の下着を自室に持ち帰って自慰、それがバレるとなんと私がいない間に部屋に侵入して床やベッドで自慰、最終的には私が部屋にいても普通に我が物顔で入ってきてそこで自慰をし始める。段々エスカレートしていく行為に誰にも相談できず私はどうすればよかったというのだ。
何度怒っても蔑んでも罵っても敦はめげないし絶対にしたくなかった暴力をふるってもそれすらも快感に変えてしまうし、部屋に鍵をかけたら一日もたたないうちに持ち前の腕力でぐちゃぐちゃにされてしまった。
他にも試行錯誤して色々と対策を立てたが全て看破され、ここ数年ですっかり万策が尽きてしまった私はもう開き直って敦の気が済むまでこの虚しい行為に付き合ってやっていたのだ。今年の春からは敦が秋田の高校に通い始めて家からいなくなったからすっかり油断していたがそれにしてもまさか私に内緒で帰ってくるなんて思いもしなかった。

「…何回出したの」
「ん、……三回くらいまで、数えてたんだけど、」

忘れちった。
ふにゃりと破顔一笑した敦とは反対に、絨毯を汚されたことがどうにもこうにも許せない私は彼を虫螻でもみるような目で見下した。人の部屋に勝手に入って精液撒き散らして謝らないなんて、神経が図太いのにも程がある。 私が帰ってきてすぐに泣いて謝れば許してやらんこともないかな、なんて考えていた私はそんな考えが甘かったことを重々自覚した。元々この男には「謝罪する」という行動が最重要項目に備わってないのだ。彼の学校の部活の監督が元ヤンだと聞いていたからちゃんと躾られてんだろうと安心すらしていたのに、とんだ思い違いだったらしい。

「……ま、なんでもいいけど、気が済んだら絨毯綺麗にして早く出てってよね」

ぐりぐりと背中を踏みつけていた足をどけて、敦に興味がなくなった体を装って私は持っていた荷物と一緒にベッドにダイブした。

「!!……名前ちんかまってくんねーの?」
「そだね、敦の精液で汚れるし、」

あんた独りでやってれば?
ベッドに腰掛けて部屋着に着替えながら満面の笑みでそう言ってやれば、陰茎をぱんぱんに膨らませたまま半身を起こした敦はこれ以上ないくらい絶望的な顔をした。私の部屋でオナっていれば帰ってきた私に相手をしてもらえると思いこんでいたんだろう、その浅はかな考えに吹き出しそうになった。

「なんで……」

だんだん俯いてしまいそうになる彼を無理やり上を向かせてみるとやっぱり泣きそうになっていた。笑ってしまいそうになるくらい私の言動一つ一つに一喜一憂する敦が可愛くて、つい手が出てしまいそうになるのを我慢して私はつづける。

「前みたいにしてもらえると思った?」
「ん…」
「ふ、ばぁか」

期待と羞恥に顔を真っ赤にした彼の耳元で優しく猫なで声で問いかけながらそっと足を伸ばして、もうずいぶん前から赤黒く腫らしている敦の陰茎を優しく踏みつける。ごくんと喉を鳴らした音が聞こえた。

「私に内緒で帰ってきて、私のお気に入りの絨毯だって知ってたくせに…退かす暇もないくらい我慢できなかったの?そんなに私が恋しかった?ねえ、」

撫でるように足裏で彼の陰部をさすれば、それはとたんに足の下でびくびくと脈打ち硬さと質量を増していく。まだでかくなるのか…。
唖然とする私をよそに恍惚とした表情に涙を浮かべて熱い吐息を漏らす敦は、足で陰部をいじられるという初めての行為に夢中になっていた。

「ん、はぁ、…っごめ、なさ、」
「はあ?嫌だよ、絶対許さない。」

許してやるもんか。
そう言うと同時に私は足の下の硬いそれを踏み潰した。

「いっ、痛!っ名前ち、んっ、んん、くっ」

力を込めてぐりぐりと足を捻ってやれば、痛いのか気持ちいいのか敦はうずくまるようにして私の腿に倒れ込み、腰に腕を回して縋りついてきた。やんやん言いながらもなお実の姉に股間を踏みにじられ抵抗もせず喘ぐ我が弟は変態の域をとうに越えている。

「そんな自制の効かないちんこならなくしちゃえばいんじゃない?」
「いやっ、んぁっ、くぅ」
「潰したげよっか」
「だ、っだめ!…く、ふっ、やだもう名前っ、うぁ、っ名前!」
「やだ何、ちんこ踏まれてイキそうなの?」

片足で陰嚢をこねるように揉みつつ、もう片方の足で竿を扱く。もうたまらないとでも言いたげに私の太ももに顔を擦り付ける敦の、汗ばんでしっとりした髪を手櫛で優しく撫でてやる。

「んあっ、やば、…名前っいく、んん、っ俺、もうっ」
「足にかけたら一生かまってやんないから」
「くっ、ふ…んんんっ、やぁあっ」

絶頂を迎えそうになっているらしく譫言のように喘ぎながら益々呼吸を荒くする敦の頬にキスをしようとしたそのときだった。

『名前ー!』

「「!!」」
まるでその行為を見ていたかのようなタイミングの良さ。思いもしなかった母の怒声に私達二人は飛び上がった。

『ちょっと降りてらっしゃーい!』

「……あー」
何事かと、戸惑いを隠さないまま私を見上げてくる敦に、ママに怒られるだけの心当たりがあった私は気まずく視線を逸らした。そういえばさっき電話ぶち切りしちゃったんだ。まさかこのタイミングで帰ってくるとは思っていなかったけれど、帰ってきてしまったのなら私はもう大人しく母に怒られてくるしかない。
腰に巻きついた敦の腕を退かし、汚れた靴下を脱ぎながら私は彼に背を向けて言った。

「ごめん敦、後は自分でやって。あ、自分の部屋でね」
「えぇえ!?」
「私も鬼じゃないから、そのまま待ってろなんて言わないよ」
「名前ちんの鬼!」
「いやいや、なんでよ」
「俺いきそうだったんですけど」
「だから自分の部屋に帰ってしてね、って」
「そんな───」

『名前ーー!』

「ごめん、じゃ。絨毯綺麗にしといてね」

再び絶望的な顔をする敦を見て見ぬフリして、私は急いで母のもとへ向かった。





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