「んっ、あぁっ───やぁあっ」
「…っ…く、」
お情け程度についている小窓からわずかに入る光のおかげでなんとかお互いの顔を認識することができる程薄暗く狭い倉庫の中。
夏場だというのに風の通りが全くなく何もせずにただ立っているだけでも蒸し暑く汗が滲みでてくるというのに、名前と紫原はそこで激しい情事の真っ最中だった。
「んぁああっ、敦っ、んんっ、も、やだぁ!」
「っ、ふ、名前っ」
名前は軽々と紫原に持ち上げられ、宙に浮いたまま紫原の思うがままに下から突き上げられていた。
自身の体重で深々と刺さる紫原の太く長い肉棒は中を圧し広げ、子宮口までもを押し上げている。
名前は、絶え間無く全身を駆け巡る快感のせいでうまく力の入らない腕で必死に紫原にすがりつき、ただただ喘ぐことしかできないでいた。
暑さと情事のせいでだらだらと垂れる尋常でない量の汗を行為に夢中な2人は気にもとめておらず、更には「もし人がきたら……、」なんて心配も随分前に2人の頭から消え去っていた。
「ねっ、もー無理だよっ、あっ、んっやぁあ」
「はっ、も、止まんねーしっ」
紫原のそれは硬く脈打ち、容赦なく名前の最奥を深々と突き上げる。
硬いそれが彼女の内壁を擦り奥を突き上げるたびに津波のように快感が身体中に広がり、早く出せと言わんばかりに紫原のものを締め付け蠢く。
「や、やぁああぁっ、んんっ、いっ、いっちゃうぁあ!」
「だめ、まだ」
「な、んでっ」
はぁ、と吐かれた紫原の熱い吐息が耳にかかり、名前は僅かに身震いした。
接合部から発せられる水音や耳にかかる紫原の荒く熱い息遣いが静かな室内に響き、膣内だけでなく聴覚でさえも彼に犯されているように感じる。
達するなといわれたけれど紫原はペースを下げるつもりは毛ほどもないらしく、がつがつと夢中で腰を振り続け、益々なまえを追いつめていく。
もう我慢の限界だった。
「ああぁっ、やだ、も、だっ───あぁああっ!」
「っ、く、ぁ……っ」
びくん、と紫原の執拗で激しいピストンに我慢の効かなくなった名前の身体がついに大きくわななき、ただでさえきつく絞まっていた膣内は紫原の精を搾り取るかのように更に収縮した。
紫原もそんな名前の急な強い締め付けに堪えきれず、避妊具の内に熱い精を放った。
「ん、……はっ」
「んぁ……んん、ぅ」
それからは数回円を描くように動かして残っていたものを薄い膜の内に出しきり、ぐったりと紫原に凭れたまま少しも動かなくなってしまった名前をそっと机の上に乗せた。
とろんと半分瞼を落としかけながらもなんとか開いている瞳を見る限り、彼女は絶頂後の余韻に浸っているようだった。
「ん、…は、ぁん」
「イッちゃだめって言ったのに…」
あんなに窮屈だったにも関わらず名前の中に蹂躙していた紫原のそれは呆気なく抜け、圧倒的な存在感のあったそれが出ていく感覚に名前は名残惜しそうな声を出した。
装着していた避妊具を外し、後処理をする紫原を名前はぼんやりとみつめる。
「もっかいする?」
「やだ」
拒否されるとわかっていながらも淡い期待を抱いて聞いたけれど、やっぱり返事はノーだった。
後始末の終わった紫原にぴっとりと肌を寄せて身体をあずける彼女は力が入らないのか、いつもと違い若干舌足らずに話す。
かわいいなあ。
汗で背中に張り付いている髪を取って手櫛でといてやれば名前は気持ちよさそうに目を閉じた。
「んー…またそんなとこにつけてー」
もごもごとぼやく彼女を無視して、今しがた自分がつけたばかりの名前の首筋の鬱血痕の上からまた強く吸い付く。
こうやって何度も人から見える位置に濃く痕をつけても、彼女は髪型を変えたり化粧で隠したりするから面白くない。
まあ見せびらかされても困るけど。
「あああ!!」
「っ、」
名前に痕をつけるのに夢中になっていた紫原は、全くもって予想外だったなまえの大声にびっくりして思わず身体を放して後退りした。
彼女の首筋に顔を寄せていたために、突然の大声にキーンと耳鳴りがする。
「ねえ!今何時!?」
「そんなん知らねーし」
「馬鹿!」
ここ学校!
そう名前に言われ、そういえば、と思いだした。
何時間か前、紫原は部活中に何故かどうしても名前とシたくなり、当然家まで我慢なんてできるはずがなく部活が終わるや否や、マネージャー業に勤しんでいたなまえを引っ張り無理矢理この倉庫に連れ込んだ。
そして今に至る。
すっかり忘れてしまっていた。
「あぁー…絶対先輩たち気づいてるよ」
「別にいーんじゃなーい?」
「あほ!いくない!しかも今から着替えて家に帰るんだよ?」
「んー。」
「最悪、あり得ない。身体中べとべとだしだるいし」
「俺も疲れたー」
「フ●ック。とりあえず学校でエッチ禁止!てか普通あり得ないからね?学校でするとか!」
「あんあん言ってたくせに?」
「うるさい!」