「君は本当にいけない子だね」
「んぁ、ふ、も、全部エルヴィンさんのせいなんだからあッ」

私の首筋に厚い舌を這わせ、ねっとりとなめあげながら甘く囁いたエルヴィンさんの吐息の熱さに私は小さく身震いした。

「また随分と痕を残して、妬かせてくれるじゃないか」
「ん、やぁあ」

ちゅう、と首筋に散らばる鬱血の痕に執拗に吸い付いてくるエルヴィンさんの厚い胸板を少し押して視線を下にずらせば、彼の太い陰茎がずっぽりと根元まで私の中に入っているのが見えてまたきゅんと切なく子宮が疼いた。

「エルヴィンさんのちんこほんときもちい」

「こら、女の子がそんなこと口にするものじゃないよ」

困った顔をしてたしなめるわりにひくんと私の中で反応した素直なエルヴィンさんのそれがおかしくて笑ったら、彼が真面目な顔をして「私だって男だ」なんて言うからさらにおかしくって笑った。
端から見れば私がエルヴィンさんの上に跨がっているだけにも見えるのだけど、実は私のズボン(とパンツ)は丁度膣口のところで大きく穴が開けられていて、そこから彼のモノが深々と突き刺さっている。
エルヴィンさんいわく急な来客対策だそうだけど、ドアに鍵はちゃんとかかっているし絶対嘘だ。
彼は真面目な紳士の皮を被った変態だからたぶんこんなプレイがしてみたかったんだと思う。

「……そういえばリヴァイは?」
「ん、エレンくんのこと調教してた」

最近彼、あの子にお熱だからさぁ
エルヴィンさんの脂肪の薄くて筋肉質な太い首に腕を回して、さっき彼にされたように筋の浮き出た首筋に舌を這わせながらきっちりと留められたシャツのボタンの間に手を滑り込ませ、その先にあった小さい突起を緩くこねた。
く、とエルヴィンさんが少し息を詰まらせたのとまた中で彼のモノが跳ねたのが嬉しくて、首筋から喉仏を通って鎖骨に一つ薄い痕を残した。
彼の身体はリヴァイさんと同じで無駄に鍛えられていて脂肪が少ないからうまく吸いつけない。

「リヴァイとは最近どうなんだ?」
「んー。……毎夜なかされてる。」

「………………。」

「ふ、毎夜は嘘だけどね」

おもしろ半分についた冗談にあからさまにしょぼんとしたエルヴィンさんが可愛くて、ちゅ、ちゅ、と慈しむように優しく彼の唇にくちづけをおくる。


私の恋人はエルヴィンさんでなくリヴァイさんだ。


じゃあなんでエルヴィンさんと白昼堂々こんなことをしているかって言ったら、私がリヴァイさんと付き合いを始めてもなお彼とのセックスから離れられなかったからだ。
それほどまでに彼との行為は気持ちよかった。所謂、相性バツグンというやつだ。でもちゃんとリヴァイさんのことは好きだし、まだ愛してるまではいかないけどリアルな話、彼に頼まれたら私の貯金を全て無償で譲ってしまえる位には想っているし抱かれたいとも思うし、彼が私を愛してくれて求めてくれているのも痛いほど実感しているしとても満足していた。

だけど心は満たされていてもなお、口では言い表せない何かが足りなかった。

実際に夜、死んじゃうんじゃないかってくらいリヴァイさんに激しく抱かれていても次の日にふとエルヴィンさんに抱かれたくなるときだってある。廊下で彼とすれ違ったとき無性にセックスをしたくなって空き部屋に二人でもつれ込むことなんてざらにあるし、休日なんて予定がなかったら2人して一日中ベッドの上にいることだってある。
だからといって彼に対して私が、リヴァイさんに持っているのと同じ感情があるかと聞かれたら答えはノーだ。
エルヴィンさんには申し訳ないが、リヴァイさんの方がベクトルはずっと上にある。

つまりはきっと、私の中で無意識のうちに恋愛感情と性欲は全く別なものだと区別されているのかもしれないし、それだけエルヴィンさんは性的魅力に溢れていた。


「確かに、身体の相性が良すぎるのも問題だな」


「え?───っきゃん!」

いつのまにか完全に手が止まっていたらしい私の顔を覗き込むなりそう言ったエルヴィンさんは少し怒っていて、
上に跨がる私の腰を出し抜けに鷲掴みしっかりと固定すると急性に腰を激しく下から打ちつけてきたものだから驚いた。

「あんっ、あっ、やだぁ急に!」

「君が面白くない考え事をするからだよ」

「ふぁ、んんあっ、は、なん、ああ!」

しゃべる暇すら与えてくれない彼の怒涛の責め苦に構えの全くできていなかった私の口からはあられもない嬌声があがる。
休む暇なく突き抜ける快感に呑まれまいと、厚い筋肉に覆われた彼の背に腕をまわして必死にしがみつく。

「あぁあっ、も、やだやだぁ…ごめ、なさ、んぁあっ」

「くっ、は、許さないよ」

「ふぅ、ぁあっ、や、きもち、ぃやぁあ!」

自身の重みで更に奥まで深く貫く太くて熱いエルヴィンのそれに子宮口をがつがつと突き上げられる何ともいえない快感に名前はわなないた。

もうなにも考えられない。

結合部からは男根が出入りする度に溢れる白濁した液体が卑猥な音をたて、聴覚さえも侵されていく気さえする。

「あん、もう、ふあ、ぁあっ、エルヴィン、エルヴィンっ!」

「まだ、駄目だ」

「そ、んなっ、我慢できな、ああっやだやだだめぇッ」

エルヴィンさんの思うがままに揺すられ突き上げられ、絶え間なく全身を駆け抜ける快感がみるみるうちに私を追いつめていく。
我慢しろなんて言われたがいつもより殊更に激しい律動に、私の身体はもう限界だった。

「ひっん、あっ、や、いく、いくいくっ、ふ、やぁあぁああぁっ!!」

「っ、くっ───!」

かき抱いたエルヴィンさんの汗ばんだ身体が強張り打ち震える。
全身を襲った快感に意識を持って行かれそうになりながらも感じた、ナカでびくびくと脈打つそれが無性に愛おしかった。






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