「はぁ……」
今日もいつもみたいに、沖田さんに無理矢理押し付けられた日誌を書いて職員室まで来た。
そもそも日誌は日直の仕事でしょ!?
なんで俺が………とか言ったら、沖田さん怒るんだろうなぁι
「失礼します」
日誌を持って職員室にはいって銀八先生の所へ持って行く。
「先生…日誌。」
「あれ?今日お前だったっけ?ま、いいや」
そんないい加減なコトを言う先生に日誌を渡して、さっさと帰ろうとした時。
『あのさ…』と、先生に呼び止められた。
「なんです?」
「ん〜、まぁ…アレだ」
口を濁しながら先生は頭をかいた。それから、一息おいてまた口を開いた。
「真威の事なんだけど」
やっぱり。先生は真威を贔屓っていうか、好いてるみたいだからそうだろうとは思ってた。
「女子から虐められてんだろ」
「……ですね」
ま、あれだけ可愛くて勉強できて…嫉妬かわない方がおかしい。
「守ってやってくんねーかな?情けねぇけど、俺の立場じゃいろいろできなくてなぁ」
「…もちろんいいですけど。なんで俺に?」
そこが1番の疑問点。俺なんかより、土方さんとか沖田さんのが頼りになるはずなのに……
「お前と真威は同類だからだ…」
なるほどな…そう思った。
クラスの皆はもちろん、銀八先生以外の先生にも知られていない俺の過去。
確かに真威ちゃんは俺に似てる気がする。
そんな風に思いながら、真威ちゃんを早速探す事にした。
まだ下駄箱に真威ちゃんの靴があったから、校内にあるはず。
今日は図書室は開いてない……とすると
「屋上…」
屋上しか思い浮かばなかっただけだけど、きっとそこにいる。
だって真威ちゃんは俺と同類だから。
「あ…」
「いた…」
屋上に行ったらやっぱり真威ちゃんはいた。
フェンスに背を任せて座って、本を開いていた。
「こんな所で読書?」
「……うん」
近づいてみたら、その本は所々破けていて真威ちゃんの頬にも血がにじんでいた。
「私を…探してたの?」
「まぁ……ね。」
探してた。だけど探してた理由なんてない
「どうして…ここってわかったの?」
わかったワケじゃないけど、確かな事が一つだけある
「君と俺が同類だから」
君がひとりだということ
俺もひとりだということ
「………そっか」
「…うん」
それだけしか言葉を交わさなかったけど、俺はそこにずっといた。
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