「真威〜。愛してまさァ!」


「……あの、迷惑です」


「酷いでさァ!」



銀魂高校に転入して来てから、一ヶ月くらいがたった。

同じクラスの沖田くんから毎日、求愛を受けているわけですが…

ハッキリ言って困ってます。いや…確かに沖田くんはカッコイイのですがι

困っているのは沖田くんの方ではなくて、沖田くんのファンクラブの女の子で……



***



放課後。
今日も数人の女子に屋上に連れて来られた


「何、沖田くんに『迷惑』とか言ってんの?」


「調子のってんじゃねーよ!!」



ドガッ



「……っ」



みぞおちを蹴られて前のめりにうずくまったら、髪を掴まれて顔をあげられた



「不細工の癖に…ムカつくよねぇ」

「今まで顔は傷つけてないけどォ…」

「いいんじゃね?」



ニヤっと女子達は笑って、私の頬を叩いた。

パシンという打撃音が、響いた。



何度も何度も叩いた

何度も何度も頭をコンクリートに押しつけられた



だけど私は泣かなかった

泣かなければ、おもしろくないといつもみたいに女子達は帰って行くと思ってたから。



「なんで泣かないの?神経つなかってないわけ?」


「確かめる?」



一人の女子がコンクリートの上に倒れた私の上に跨がった。



「ちょっと切ったくらいじゃ死なないでしょ」



取り出したのはカッター。

今まで刃物類が暴力にでてきた事はなかったのに……っ

嫌だ…怖い……



カッターの刃が、ヒヤっと頬に触れる。

ギュッと目をつむった時



「何してんだァ?」


「!!」



頭上から声がして目をあけた。

そこには同じクラスの高杉くんが立っていた。

彼の姿を見るなり女子達は急いで屋上を後にした。



私は腫れ上がった頬を撫でながら、壁へもたれ掛かり座った。



「大丈夫かよ」

「助けてなんて言ってないです」

「助けてねーよ。俺ァただ、何してんだってきいただけだ。」



そう言った高杉くんはゆっくりと私の傍に近寄って、目線を合わせた



「助けてほしいなら助けてやるぜェ」


「私は助けてもらうほど弱くありません」




助けてなんて言わない




「可愛くないヤツ…」


「どうせ可愛くないわよ」







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