殺した

私の嘘がバレたから


血まみれになった

私が皆を切ったから


怖かった

何もかもを失うのが



「真威…何やってんだ…?」



調度最後の一人が倒れた時、背後から声がした。1番会いたくない人だった。

巡回に行ってるみたいだから、殺さずにすむかと思ってた。甘い考えだったみたいだけど…



「あれ?真選組副長さんこそなにやってるんですか?」



わざとよそよそしくそう呼んで、わざと笑った

私が皆を切った事を、悔やんでいるのがバレないように



「真威がやったのか?」

「それ以外に何があるっていうんです?」



そうきいてくるという事は、まだ私が裏切り者だと信じれてないんだ…

あの鬼の副長でも、私を仲間だと思ってくれてたのか…

ちょっとだけ嬉しいな

でも…後戻りはできない



「馬鹿ですよね、こいつら。抜刀もしないでただ、私に斬られるだけなんて…」



なんで皆、抵抗してこないのよ…

なんで皆、私を殺してくれないの?

いっそ殺してくれたら楽になれたのに



「ほんと…皆……馬鹿だよ」



こんな私でも…仲間だと…最後まで……?



「貴方で最後です。副長さん」



土方さんに刀を向けた

これで最後だ

彼を殺せば、愛しい高杉様のもとへ帰れる



「上等だ…。こいよ」



土方さんは抜刀して、それを私へと向けた

刀を構え、突っ込んで行くが刀で受け止め流された

私は本気で殺すつもりでいく。そうでなきゃ私が殺されかねない

必死だった無我夢中だった。一瞬、隙ができた土方さんの胸へ飛びこみ、刀を突き刺した



ぐちゃ−−ッッ



生々しい感触が、刀を通じて手へと伝わった

生暖かい血がドクドクと流れ出て、私の腕へとつたう

思わず、倒れた土方さんを抱きしめた



「ごめんなさい−−ッッ」



謝らずにはいられなかった

本当は皆が大切だったから




そこに残ったもの
ちいさな悲しみ





「なんつー顔してんだよ。また総悟に虐められたのか……?」


そうだね。私、いっつも総悟に虐められてた…


「泣くなよ…。お前らしくねェぜ?」


私が貴方達に見せていたのは嘘の私だけど、貴方達から見た私ってどんなだったのかな…?


「そうだな…。幻とか夢みてェに…掴み所のない…俺らの仲間…」




最後の最後

死ぬ間際まで

土方さんは私を

仲間だと−−−−…



胸が痛かった

死んだ方がマシと思えるくらい


でもこの感情が何なのか、私が知る術はもうない








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