放課後。

今日は珍しく、女子からの虐め…否リンチがなかったからのんびり本でも読もうと、図書室にやってきた

図書室は私が唯一、安らげる場所だった−−…

だったはず…



「よぉ」

「…なんでいるんですか?」



クラスでも学年でもトップ オブ 不良☆で有名な高杉くんがそこにいた

図書室に高杉くん…かなり違和感があるのは私だけでしょうか?


「お前が来ると思って待ってやってたんだよ」


「待ってなんて頼んでません。……何か私に用ですか?」



なるべくなら係わり合いたくないが、待ってくれてたのだから余り酷い言い方もできない


私がきくと高杉くんはニヤッと口角を吊り上げた


「お前を抱きしめる為」

「は?」


柄にもなく素っ頓狂な声をだしてしまった

意味が分からず、目をパチクリしてたら有無を言わさず抱きしめられた



「ちょ…」

「黙れや」


誰もいない図書室。

息遣いだけが微かに聞こえる



高杉の腕がキュッと背中に回り、体を引き寄せる



また、質の悪い悪戯?

そんな風に考え、無駄だと分かってはいるが一応抵抗してみる


「離して…」

「無理だなァ…」


何が無理なんだか…



一層私を抱きしめる力が強くなった

ちょっと、痛い



「…高杉くん?」


「あ?」


「いつまでこうしてるつもり?」



私がきいても答えてくれなかった

無理矢理抱きしめておいて、理由も離さないし、反省してる様子もないし、私の問いに対しては無言

なんて自分勝手なんだろう



「…はぁ」

「…?」



不意に溜息の様な、吐息が聞こえた



「…落ち着く」




の棘の腕
いておく




落ち着くなんて言われたのは生まれて初めてだった

それが高杉くんってのが少し腑に落ちないけど…

正直、嬉しかったの。








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