04 | ナノ


「ガゼル様」

オトウサンに頼まれて、ガゼル様にわたしの新しい薬を渡した。ガゼル様は薬を見つめて眉を八の字に下げ、薬をテーブルな置いた。

「最近、練習の方はどうですか。」

研究員から聞いた話だが、わたしはな何もする機能がない。ただ呼吸をするだけなんだって。だから、お前はガゼル様とオトウサンの命令だけ聞いていればいい、と言った。わたしはガゼル様に命令されたことがない。
ガゼル様はこの頃、頑張っている、のだそうだ。

「頑張っているよ」
「ジェネシスの称号を得られるといいですね」
「うん、そうだね。…得られたらキミも喜ぶかい?」

喜ぶ、とは。わたしは、喜ぶか、どうだろうか。

「はい。もちろん喜びます」
「……」

ガゼル様は何も言わずにベッドに入る。わたしはベッドの下の布団に包まった。

「ねえ、」
「はい。」
「…もう少しさ、砕けていいんだよ。私は息が詰まりそうだ。もう少し普通にしても、わたしはなにも言わないよ。」
「普通、とはどのようなことでしょうか」

わたしは普通、というものを知っていた。昔のわたしもこの中に残っているから、普通というものや事が、できる。でも、その前に感情が、出すな出すな、と言ってわたしのもう一つの感情を押さえ込む。
もう一つの感情とは、笑うことも泣くことも知っている感情のことだ。

「タメ語、とかで」
「それは許されていません。」
「笑う、とか、」
「…前にもわたしが言った通り、わたしは笑うことをインプットされていないんです」

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