ノイズ | ナノ


「っ……え…ワーク、」
「ほら、海軍が近付いてきた。よかったっスね、おれを生かしてて」


銃口からは煙が出ている、しかしあたしにその銃口は向けられておらず、あたしの後ろの奴らに、向けられていた。ワークはあたしの体重を意図も簡単に押して、あたしの後ろにいた海軍に銃を向けて、あたしを引っ張り立ち上がって後ろにやると「行ってください」と、言った。「ロー…、船長んとこ、行ってください。おれが雑魚共片付けるんで」「ワーク、」「気が変わったっス」
あたしは落ちたワークの銃を拾って投げてやると、ワークは笑って


「あんたの笑顔は嫌いじゃない」


と言って引き金を抜いた。あたしは落とした海軍の銃を拾って走る、ローさん達の元へ。振り返り「ワーク!あたしも、ワークの笑顔嫌いじゃない!」と言うとワークは少し後ろを向いて笑った。やはりまだ海軍の数は多いようだ、でもさほど強い敵はいないだろう。大丈夫、ワークは死なない。


「そこの木の下におれのスケボーがある!」


生憎だがスケートボードなんて乗った事がない。バンバンバン、ワークの弾で三人の海軍が倒れていく。あたしは木の下にあるワークのスケートボードを拾って、適当に上に乗ってみるとそこの地盤が斜めっていたためそのまま進んでいく。「ワーク、ありがとう!」ワークが片手を上げて、銃を振る。「ありがとう」もう一度小さな声でワークにお礼を言った。
向こうから爆発音が聞こえる。以外にうまく乗れるものだ。「スピード」唱えればスケボー(ワークがそう言っていた)も一緒にスピードを上げて進んでいく。ローさん達じゃなければいいけど。


「おっと…、」


ローさんに、キッド、そして、デカイ熊の耳。岩の陰に隠れて様子を伺っていると、熊耳の手から光線が放たれる。あれは、あの黄猿の技じゃ?「おいトラファルガー、」「おれに命令するなと言ったはずだ!」そんな事言っている場合じゃないよローさん!熊耳の手からまたも光線が、
……ローさん達が押されている。なんとか熊耳の気を引いて弱点を見つけ出しながら戦うしかないだろう。「(…これだ)スモーク」煙を出したが熊耳はこの煙になんの違和感も感じていない様子だ。ローさんは一瞬動きを止めて熊耳を見てルームを出す。ベポが熊耳に組手をしかけるが、ダメだ。(あっ)熊耳がベポに拳を向けて、そのままストレート、ベポが危ない。「シャンブルズ」ベポとジャンの位置が変わり、ジャンが熊耳の腕を抑える。

「(ここ!)」スケボーに触れ、「スピード」と唱えるとスケボーが熊耳に向かって転がっていく。あたしも煙に紛れて熊耳の方へ走った。


「……!」


熊耳がスケボーの影に気づいて手から光線を出した。「これなに!?」ベポが辺りをキョロキョロと見まわして、光線に当たったスケボーに視線を向ける。


「ランス!」


槍が熊耳に、当たる。が、全然効いていない。「ナマエ!」「ベポ!」ボロボロになったスケボーを拾いに行こうと熊耳に近づくと、熊耳はあたしの名前と賞金額を言った。「ナマエ!そいつは七武海の一人だ!」七武海なんて知らないな。熊耳があたしに手を向けてきたので「げっスピード」タイミングがずれたのでスライディング状態でスケボーを拾い、銃で熊耳を撃つ。よろめいた熊耳は下にいるあたしに光線を放つが、今度のタイミングは大丈夫だ。「スピード」向こう側にいるキッドの隣に着くと、キッドはあたしに「よお」と挨拶をするので「やあ」と挨拶をし返した。


「ランスはダメか…銃でやるしか、ないかな?ローさん!」
「…ルーム!」


大きなルームを作り、「シャンブルズ」あたしとジャンの位置を変えもう一発肩に撃つ。いきなりしたのでうまく反動に対応出来ずに転げまわるが、それは熊耳もだった。熊耳も膝を付き、あたしを見る。「どうする、ナマエ」ローさんが屈んであたしを立たせて刀を握る。「シールドとスピードで近づいて、撃つ。」「そう簡単にはいかないだろうがな」

「……」あたし、疲れてる。こんな戦闘初めてだ、あの海賊やワークとじゃ違う、緊張だ。シャドーを使ってもあんな大きな相手は閉じ込めることはできないので、ボツ。ソングはここに仲間がいるので、ボツ。スピードとシールド、そして海軍の銃で攻撃を加えていくしかない。でもここにはローさんもいるし、連携が取れる。


「あいつはバーソロミュー・クマ。海賊だが、海軍側でもある。」
「なにそれ!」
「七武海の一人だからな。それに強い。しかしナマエ、お前狙撃の腕結構あるじゃないか。ワークもそれでやったのか?」
「ううん、ワークに助けてもらった。」
「……話がまったく読めないな…。この戦闘が終わったら話を聞こう」
「はい」


「シールド」銃を構えて狙いを定める。一回ぐらいはあの光線にだって耐えてくれるはずだ。ローさんとキッドのアイコンタクトで攻撃を仕掛けるベポとキラー、(……どこを狙えばいいんだろう)「…ええ!」熊耳が口を開けた、まさか口からも光線が出るなんて事は、……!
「わあ!」「ベポ!」まさか口からも出るなんて予想外だ。どうしよう。どこが弱点だ、どこを撃てばいいんだ、きっとどこかに弱点がある筈だ、きっとどこかに、ある、はず、


「(…デス、今度こそ、デスをしよう)」


これしかない。
シールドを解除して熊耳の足に三発発撃つ。熊耳はローさんとキッドに気を取られていたから、あたしの弾に気づかなかった、熊耳が倒れる。一歩、二歩、三歩、そして走ってもう一発熊耳の肩に弾を撃つ。案外あっさりだけど、今更気にしている余裕がない。熊耳の額に指を添えた。「ナマエそれはっ」ローさんが止めに入ろうとしたが、今のこの状態だ。やめろ、と言おうとしたのだろうけれど、ローさんは言わなかった。身体が多少痛くなったって死ぬよりは全然いい、


「デス」