「…え?何ココ」 「ココかい?人間達を見て回れる。まずはこの手錠と首輪を付けて、」 「(……?)」 「入場券みたいなものじゃよ。さ、この檻の中に入って順番が来るまでまってなさい。すぐに始まるから。」 おじいさんは近くにいた防止を被った髪の長い男性と話し、髪の長い男性が「能力者!?」と目を輝かせてあたしの方を見た檻の中にいる人達もあたしを珍獣でも見るような目であたしを見つめる。「お嬢さん、能力者なのかな?」後ろにいた白髪のおじいさんが、あたしに質問する。誰だろう。なんでだろう。なんだか、凄い威圧感がある。「多分、」「多分?」あたしがそう返事を返せば、白髪のおじいさんは大きく笑って頷き「そうかそうか、」と一人で納得した。 そしてわたしを直視して 「ココはどこだか知ってるかな?」 「…わからない、けど」 「ココはヒューマンオークション会場、まあ隣に座りなさい」 「ヒューマンオークショ…えっ!?」 まさか、そんな、 「お嬢さんは売りモノという事だ」白髪頭のおじいさんは何ともないように笑い、手に持っていたお酒(のようなもの)を飲んだ。おじいさんの隣にいた巨人はあたしを見下ろし、目を反らす。なんとも気分が悪い。おじいさんの隣に座り、まずローさんの事を考えてから、ベポやキャスケット、ペンギンの事を考えた。絶対ローさん怒るに決まってる。絶対ぶたれる。え?いや、違う。あたしもう、海賊に戻ることないんじゃないかな、 「……ああああぁぁ…」 「?」 「死にたいいぃぃ」 口から勝手に言葉が出る。ローさんの憤怒の表情を思えば、更にだ。腕輪も首輪も取ることができないし、頭が混乱してどうする事もできないのだ。 逃げたい、こんな手錠なければ逃げられたし、あのおじいさんもやっつける事ができた、外にいる奴らだってやっつけられるのに。 檻の鉄を触ってみた。硬い、ランスでは壊せないかもしれない。(一応やってみよう)一発下がって、両手を上にあげた。「ラン、」 「放してよ!!痛いっ!!」 「ん?」 男二人掛かりで連れて来られたのは、さっきまで一緒にジャボンディパークにいた「…ケイミー?」しかしあたしには気づいていないようで、髪の長いおじさんと手下が話をして笑っている。 パンッ、響いた。「(ケイミー!)」髪の長いおじさんに頬を叩かれた、ケイミー。「はっちんがやっつけてくれるんだからね!!」「まだ口答えを…」やばい、今度こそ本当に蹴られてしまう。シールドを出そう、 瞬間、ゾクリと背中に何かが走った。「?、おじいさん?」「何かあったか?」おじいさんでは、ないようだ。檻に入れられるケイミーの側に駆け寄ると、ケイミーはあたしを凝視した後、飛び付いた。まさかこんなところにあたしがいると思わなかったんだろう。 ◇ |