「…ないな」 「うまく北側に来れたのに…もう夜になったね…」 いつの間にか森が真っ暗で空を見ると星空が広がっていた。足元が見えなくて転びそうになる。「あぶねぇ」ローさんが後ろに回ってくれたので転ばずにすんだ。ライトを使えばよかった。すると隣のしげみからがさがさと何かが動く音がさがさと聞こえる。サっと顔を青くして茂みを見つめれば、大きい胴体が揺らめいて… 「ぎゃああ!」 「!」 思わずローさんにしがみつく。あたしの肩にローさんの手が置かれた「おい、別に大丈…、」暗くて何も見えない。あたしはおばけとか幽霊とかそういうの信じないタイプなんだ、と思いつつもやはり怖い、「ライト」指先を幽霊に向けて唱えると、ガサゴソと見なれたシルエット、そして茂みから白い色の毛が見えた。 「あ!見つけたよキャプテン!」 「ベポ…!」 「…アレ?お二人さんもうそんな関係?キャプテン手出すの早いな〜」 「なんだあ…ベポかあ」 「喋ってごめんなさい」 「え!?何が!?」 * 明日は朝早く森に行こう。森を出て朝食を食べたレストランにローさんの奢りということで夕食を食べにきた。「ねえ二人だけで海賊やってるんですか?」ローさんとベポの手が止まる。 「二人だけだったらおれのクルーになるか?」 「いやそんな事はないけど」 「じゃあ期待させる様な事言うんじゃねえよ」 「ローさんおかわり」 「話聞いてんのかてめえ…」 いや別にそんなに食べてないと思うんだけどな。ベポもすごいねと台詞を零す。 「まだパスタ6皿しか食べてないよ?」 「十分だろ…」 「全然足りません。おかわりしたいです」 「食費かかるな…」 「、」 きれいだった。きれいに笑うローさんの声が、笑い顔が、きれいだった 「ローさんって」 「あ?」 「きれいに笑うんだね」 あたしがそういうとローさんは何か考えている顔をして「トイレ」と席を立った。今食事中なんだけど。ベポが近づいつきて「ナマエって呼んでいい?」と聞いてきてくれたのでOKのサインを出す 「不思議だねナマエって!」 「え?何が?」 「キャプテンがあんなに普通に笑うなんて久しぶりにみたよ!ましてや他人に!」 「…いつもどんなふうに笑うの?」 「こんなふうにニターって」 「ほう…ベポ、こっち向いてもう一回やってみろ」 「わああキャプテン!」 ◇ |