「ありがとな!行ってくるよ!!コーティング職人のおっさん探し!!」 ルフィの場合シャボンディパークで遊ぶついでに職人探し、だろう。ボンチャリに乗って腕を伸ばす。シャッキーと目が合い、シャッキーはあたしを見て微笑んだ。あたしもそれに返すように微笑むと、「行くぞー!」とルフィの元気よい掛け声がかかり、はっちんはペダルをこいだ。「じゃあ、また今度!」シャッキーに言い放った言葉は保障されないけれど、「またね」シャッキーもそれに答えてくれた。 シャボンディパークに着いた。あたしはドキドキと早いテンポで心臓が胸を打つ感覚がわかる。観覧車、ジェットコースター、ルフィと一緒にジェットコースターの列に並んだ。チョッパーとブルックは互いに抱きしめ合って震えている。「怖いの?」ヘラヘラと笑ってチョッパーを突くと、そのまま硬直して倒れてしまった。それを見てルフィもケイミーもはっちんもパッパグも笑う。 別に楽しくないわけじゃない、でも、なんだか違和感があって、違う気がする。 次々と乗り物に乗り、ケイミーの要望により観覧車に乗ることになった。じゃんけんで、あたしとルフィが一緒に乗ることになり、丸い中にはいると、自然と動く。どういう仕組みかわからない、ローさんに質問、と思い隣にいる人を見るとそこにはあたしと同じように外を見ている、ルフィだった。 「(…あ、そうか)」 違和感はこの事だったんだ。下にいるケイミーは目に涙を浮かべていた。怖いのかとしばらくみていると笑い出した。嬉しかったのだろう。観覧車は、村で登った展望台よりも高くて、山の頂でみた景色より賑やかで、それでいて、「なあナマエ」腕を頭に回してルフィが言う。「うん?」真剣な顔つきになっていた。 「やっぱ仲間になれ!」 無理に決まっている。目を逸らして、「ムリだよ」言うと、「やっぱなあ」と、ルフィはニカリと笑う。違う形で出会っていればもしかしたらルフィ船長の元で海賊をしていた、の、かもしれない。でも、あたしはローさんに誘われなかったらこのように海賊にはなっていなかったと思う。あのまま村で人殺しを働いていたのだろう。 「そうだよなあ…そりゃそうだ!ナマエも仲間がいるんだし、誘ったおれが悪かった!ごめん!!」 「…なんで謝るの?」 「なんでって…ナマエが元気なかったから、もしかしたらおれのせいかもしんねえって」 ルフィは素直で真っ直ぐな子なんだと、あたしは思って「違うよ」と言った。実際そうなのだから、そうとしか答えられないのだが。あたしの能力を見た人は、皆がみんな面白いだのすごいだの将来期待できるだの、そう言う。ルフィだってその一人なのだろう。きっとそうだ。 「でもナマエがいたら、楽しいんだろうなあ!」そうして笑うルフィを、あたしの眼は映した。 「あたしじゃなくてもいいんじゃない?」 「そうか?そんなことねえ!だってナマエはつえーしおもしれーし、」 買いかぶりすぎやしないかルフィくん。観覧車、もうすぎ終わりに近づいていた。降りよう、そう思ったらいきなりルフィはあたしの腕を思い切り引っ張って引きずり下ろされた。「次はあれだ!」ホラーショー、ブルックが一番怖がっていたのだが、なんだか絵にならなすぎて笑った。楽しい、けれど違う。ルフィが掴んでいる腕だって何かが違う。なにかが。 「いくか!」 太陽のような笑顔は嫌いではない、が、やはりあたしは、 ※ トイレに行って、少し気を緩みすぎたのかもしれない。「お嬢さん、」年寄りのおじいさんが杖をついて無知のあたしに道を訪ねてきた。「オークション会場はどこか」と。少し覚えているが、曖昧で隣にいてくれるだけありがたいんだと言うので、あたしはそれに頷いた。元々ルフィ達とは浅い絡みのようなものだったし、いいだろう。「1番GRなんじゃよ」「そう言ってくれれば探しやすいや!」 「おい、あれ有名な人さら…あれ、一緒にいるの」 「……ナマエちゃんじゃね?」 ◇ |