ノイズ | ナノ


「(なにこれ!)」

ルフィに、シカではないトナカイのチョッパー、がいこつのブルック。今回三度目の奇襲になるが、わたしが手を出さずとも三人で海賊を殴り、斬り、観戦者三人と一匹は、「ルフィちん強〜い!」と声を出して応援をする。くるりとルフィが振り返り「ナマエ!」声を上げた。「は、はい!」あまりの大声に畏まり敬語で返事をしてしまった。


「戦わねえのか!」
「戦わない!」
「わかった!」


最後の一人をルフィが倒して、終わり。ルフィはそそくさとボンチャリとよばれるものに乗って全力でペダルをこぎはじめる。「ナマエちん!乗って!」ケイミーが手招きをしてあたしを呼んだ。「あ、うん!」急いでケイミーの隣に乗る。はっちんがこぎ出して、急いでルフィの後ろに着く。

ローさんは、今なにをしているのだろうか。心配してくれているのだろうか。ベポもキャスケットもペンギンも、怒っているのだろうか。あまり心配させてはいけないし、ご飯を食べたらすぐにシャボンディパークで遊んで、すぐにローさんのところに帰らないと(本当に怒られる、かもしれないし)


「皆強いけどさ、懸賞金ってどのくらいなの?」
「おれは3憶!!」
「さ、さんおく!?」
「そうだ!3憶だ!すごいだろ!」


ルフィが得意気にいう懸賞金、ローさんよりも多額だ。こんな子供が3憶なんて、そんな馬鹿な。(あたしも十分子供だけど)「さァ着いたぞ〜!」ボンチャリから下りて、階段を上がるとはっちんが言うスゴ腕のコーティング屋がいるという「シャッキー’sぼったくりBAR」に着く。「この店、ぼったくる気が全面に押し出されているんだが…」「大丈夫だ。いい人間達だ」本当かよ。「レイリー。シャッキーいるかー」払います、ボロボロになって女の人に胸ぐらを掴まれている、海賊だろうか。にしても女の人は細身だが、なんだか妙に恐ろしい雰囲気というか、オーラを出している。


「(お腹空いたなあ)」


自然と冷蔵庫を探す。するとルフィがあたしの腕を引いて、冷蔵庫があるところまで引っ張っていく。「好きなだけ食え!」「いやルフィのじゃないし」生ハムに煮豆、煮豆はブルックに渡して、肉やらなんやらをルフィと分けて食べる。


「美味しいねー」
「おう!ぼべおばべぼぼぼばいぼぶばんば!」
「…え?なんて?」


「はい。キミにはこれね」「わたあめ〜!」そうか、チョッパーはわたあめが好きなのか。「オバハン、なんでチョッパーの好物知ってんだ?」「キミ達モンキーちゃん一味でしょ?」麦わら海賊団は有名なのだろか。でもあたしは海賊団知識なんて皆無だし、自分の懸賞金さえ何ベリーだったか曖昧だ。それにハートの海賊団が有名なのかもわからないし、「それに、お譲ちゃんはハートの海賊団のクルーでしょ?」シャッキーがにっこり笑って言う。


「知ってるの?」
「もちろん。有名よ。特にあなたは最近出てきていきなり懸賞金が1億8000万ベリー。」
「(そ、そうだった、かな)う、うんそうだよ…」
「まあモンキーちゃんもお譲ちゃんも座ってちょうだい」


チョッパーを膝に乗せてシャッキーの話を聞く。(本当は別に聞かなくてもいいのだけど)そのコーティング屋は半年もこの店に訪れないでいるらしい。見つけるのは困難でもないのだろうが、時間と手間がかかるかもしれない。「シャボンディパークも好きね」どっと湧くルフィ達。あたしもシャボンディパークと聞いてハッとした。遊べるじゃないか!「キッド、ルフィ、ホーキンス、ドレーク、」


「“ロー”」
「ぎょわ!」


あたしの声に驚いたルフィは「うお!どうした!」と驚く。ローさんの名前が出るとは思わなかった。「そうね。お譲ちゃんはトラファルガー・ローの部下だもの」ルフィが頷いて「ふうん」とさっきよりも落ち着いている。「そんじゃ、行くか!」勢いよく立ちあがったルフィにあたしの膝から下りたチョッパー、ブルック、ケイミーにはっちん、ヒトデ、そしてあたしが立ち上がる。


「でもそんな荒れた町もいるって心配だな。職人のおっさん」
「ウチの人なら大丈夫よ。ボーヤ達の100倍強いから。」

「あ、それとお譲、ナマエちゃん。期待してるわよ」