ノイズ | ナノ


「なにあれ…」


あたしは初めて目にしたものに驚きを抱いた。ローさんは怪訝そうな目でわたしを見つめ、「遊園地」簡素な答えを言う。キャスケットから、ジェットコースター、コーヒーカップ、どれも勢いのある楽しい乗り物の他に、ロマンチックなメリーゴーランド、観覧車、この二つは恋人と一緒に乗るものらしい。楽しそうじゃん、あたしは声を漏らすと、ローさんは「勘弁してくれ。苦手なんだ」と顔に手をやって言う。苦手、なにがどう苦手なのだろうか。


「キャプテン、人が大勢いるとこ苦手なんだよ」


ペンギンが補足説明をすると、ローさんはそういうことだ。とあたしから刀を取る「あ、ちょっと」「行きたいんだろ?シャボンディパーク。おれはこれからコーティング屋と話をするし、島にルーキー達がいるって聞いたから、少し顔でも見に行ってくる。それまで遊んでればいい」「えー、一人で?」「治安がいいとこに強い海賊はいない。それでも嫌なら、すぐ終わらて、その後に行くか?」ローさんはそう言うと帽子を被り直した。
ベポもキャスケットもペンギンもローさんと行くらしい。ベポはあたしの事を気にかけてくれたけど、あたしはすぐにでも行きたい。「やだ!今行きたい!」ローさんはあたしを困ったように見る。ベポがじゃあ、と言って見を乗り出したが、それはローによって無と成した。


「ナマエ一人じゃ危ないんじゃないかな」


そうだそうだ!ベポの言葉に、あたしも付け足し言うと「じゃあ一緒に来い」ローさんの声が段々低くなってくる。あたしは今行きたい、じゃあ一人でいけ、それもやだ、じゃあついて来い、今すぐに行きたい、段々あたしとローさんの言い合いはヒートアップしてベポやキャスケット、ペンギンが仲裁に入ろうとしてくれたが怒りで平常が保たないあたし達はお互い「わがまま!」と、なり背を向ける。内心ローさんは大人げない、一人で遊んだ方が楽しい、そう思い「一人で行ってくる」と言うと、ローは間を置いた後


「自分の身は自分で護れんならそうしろ」ローさんは刀を担いであたしと反対方向へあたし以外を連れて歩く。チラチラとベポやキャスケットはあたしを見たが、怒りを抑え切れず、あたしもずかずかとシャボンディパークへ向かった。ちょっと罪悪感が残り、ローさんの方にほんの少し顔を向けたが、ローさんも、ベポも、キャスケットもペンギンもあたしの方には見向きもしないで歩き進んだ。わたしも背を向けてその場に佇む。


(まずかったかも)


振り返った先には、通行人しかおらず、海賊はあたししかいなかった。